① 在留資格: 経営・管理
② 申請種別: 在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)
③ 状況概要: アメリカ国籍のダリルと申します。現在は海外(米国)に拠点を置いています。過去に日本で法人を設立しており、これまでは日本人の現地スタッフに実務を任せ、私自身は月に1回ほど来日してマネジメントを行うスタイルをとってきました。
今期で会社は3期目を迎えますが、ビジネスの拡大に伴い、第3期のタイミングで本社を従来の地方から「京都」へと移転いたしました。また、2025年10月に施行された新しい経営・管理ビザの要件(投資規模や事務所の柔軟化など)を踏まえ、私自身が正式に「経営・管理」の在留資格を取得して日本へ移住することを本格的に検討しています。
④ 質問内容: 日本への完全移住(ビザ申請)に向けて、新しく移転した京都の本社近くにある都市銀行(都銀)や地方銀行(地銀)で、新しく法人口座を開設したいと考えています。しかし、私自身が現在「在留資格がない非居住者」のステータスであるため、銀行の窓口で口座開設を断られてしまいます。
現在はやむを得ず、以前の本社があった地域の地方銀行口座をそのまま維持して利用していますが、現在のステータスのまま、移転先(京都等)で新規の法人口座を開設するための現実的な手段や実務上の解決策はありますでしょうか?
ダリル様、ご相談ありがとうございます。3期目を迎え、京都への本社移転、そして新基準に合わせた日本への本格的な進出計画、非常に素晴らしいビジネス展開ですね。
ご質問の「在留資格がない状態での法人口座開設」は、ビザ申請を進める海外在住の経営者様がほぼ100%直面する、実務上最も大きな「壁」の一つです。在留資格がない(住民票がない)外国人は銀行から「非居住者」とみなされ、マネーロンダリング(資金洗浄)防止の観点から、都銀や地銀での新規開設は極めて厳しく制限されています。
結論から申し上げますと、現時点でダリル様が単独で都銀や地銀の窓口に行っても、新規の法人口座を開設することは不可能です。ただし、実務上、この状況を打開して日本でのビジネスとビザ申請をスムーズに進めるための「3つの現実的な手段」があります。
実務の現場で行われている具体的な解決策を詳しく解説します。
日本の多くの銀行が法人口座開設の条件として求めているのは、「会社の代表者のうち、少なくとも1名が日本国内に住民票を持つ居住者であること」です。
従来の都銀(三菱UFJ・三井住友・みずほ等)や、京都の地銀(京都銀行など)は対面での厳格な居住者確認を原則としていますが、一部のネット銀行や外資系金融機関は、非居住者の法人であっても柔軟に対応するケースがあります。
ダリル様は「現時点では前本社の地銀口座をそのままにしている」とおっしゃいましたが、実はこれが現在の最も強い武器になります。
法人口座の問題とは別に、第3期で本社を京都に移転されたとのことですので、新しい経営・管理ビザ(2025年10月改正法)の申請に向けて、以下の点を入管への提出書類でクリアにしておく必要があります。
ダリル様、海外にいながら日本で法人を維持し、3期目まで継続してこられた実績は、入管の審査において非常に大きなアドバンテージ(プラス評価)になります。
口座開設の件は、日本の金融機関の「非居住者に対する一律の規制」によるものですので、ダリル様の会社の信用度とは関係がありません。実務上は、「今ある地方の口座でビザ申請を終わらせ、来日後に京都で新規口座を作る(手段C)」のが、コストも時間もかからない最もスマートな解決策です。
新しい経営・管理ビザの制度は、ダリル様のように海外から日本の拠点をコントロールしてきた実力のある経営者を、正式に日本へ迎え入れるために緩和された制度でもあります。
まずは、過去2期分の決算書と、現在の京都の本社の実態を示す書類を整理し、ビザ申請(認定申請)のタイムスケジュールを組み立てることから始めましょう。ダリル様が京都を拠点に、さらにビジネスを発展させられるよう、心より応援しております。
※ 本記事は2026年6月時点の金融機関のコンプライアンス状況および入国在留管理庁の新基準運用実態に基づいて作成されています。個別の銀行や支店によって、非居住者法人の口座開設基準は予告なく変更される場合があります。