質問内容)
① 相談種別: 永住権(永住許可申請)
② 申請種別: 子の永住許可申請
③ 状況概要: イギリス人のジェームズと申します。私は永住権をすでに持っています。イギリス人の妻と、現在17歳になる息子ロミオ(在留資格はどちらも家族滞在)がいます。息子が永住権の取得を希望していますが、最近、妻に国民健康保険と国民年金の未納歴があることが発覚しました。私自身は未納歴はありません。
④ 質問:
現在、17歳の息子ロミオが永住権の申請を考えています。私には問題がありませんが、家族の一員である妻に保険や年金の未納歴がある場合、息子の永住権申請は不利になりますか?
行政書士からの回答)
ジェームズ様、ご相談ありがとうございます。永住権はご家族にとって重要な目標であり、ご心配される点も当然かと思います。
結論から申し上げますと、ご家族の一員である配偶者(奥様)に公的義務の不履行(年金・保険の未納)がある場合、原則として、そのご家族全体(息子様を含む)の永住申請に極めて不利に働きます。
永住申請における「生計要件」と「素行要件」の審査基準、そして具体的な対策について解説します。
1. 永住申請は「世帯単位」で審査されます
永住申請では、申請者本人のみならず、その「生計を一つにする世帯全体の経済的基盤と公的義務の履行状況」が審査されます。これは、永住者が日本社会で自立し、公の負担を適切に果たせるかどうかを見るためです。
- 生計要件: 申請者であるジェームズ様(永住者)が世帯主として十分な収入と納税実績があるとしても、世帯の一員である奥様が公的義務を果たしていないという事実は、世帯全体の素行に問題があると判断されます。
- 影響の深刻度: 国民年金や国民健康保険の未納は、永住申請において最も厳しくチェックされる不許可理由の一つです。これは、公的義務の履行に関する信頼性が問われるためです。
2. 息子様(17歳)の申請への影響
息子様(ロミオ様)は現在17歳であり、永住者の子としての優遇措置(簡易要件)が適用される可能性がありますが、それでも世帯の素行要件からは逃れられません。
- 子の永住簡易要件: 通常、永住者の子(18歳未満)は、日本に1年以上在留していれば申請可能など、居住要件が大幅に緩和されます。しかし、素行要件と生計要件(世帯単位)は、原則として緩和されません。
- 結論: 父親であるジェームズ様が永住者であっても、母親(奥様)の未納問題が解決しない限り、息子様の申請も不許可となる可能性が非常に高いです。
3. 今すぐ取るべき具体的な対策
申請を成功させるためには、奥様の未納問題を直ちに解消し、その証拠を提出することが必須です。
- 1.未納分の納付と支払い計画の作成:
- 奥様の未納期間を正確に確認し、速やかに全額を納付してください。
- 全額納付が難しい場合は、年金事務所等で必ず分納の相談を行い、滞納を解消するための具体的な支払い計画書を作成し、これを提出書類に加えます。
- 2.納付記録の提出:
- 年金については、直近2年間の納付記録(ねんきん定期便など)と、滞納分を納付したことの証明書を提出します。
- 健康保険についても、未納期間がないこと、または滞納解消済みの証明が必要です。
- 3.申請時期の再検討:
- 未納分を解消したとしても、納付したという事実を積み重ねる期間(クリーンな期間)が求められる場合があります。焦らず、納付完了後、最低でも半年~1年程度は、確実に納付実績を積んでから申請に臨むことをお勧めします。
4. 行政書士からのメッセージ
息子様が永住権を取得するチャンスを確実にするためにも、まずは奥様と協力し、公的義務の不履行状態を解消することに全力を注いでください。未納を解消した上で、申請時には「すでに問題を全て解決し、今後は日本の公的義務を誠実に履行する」という強い意思を、書類と証拠によって示すことが重要です。
※ 本記事は記事公開時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は必ず出入国在留管理庁の公式ウェブサイト等でご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のケースに対する法的なアドバイスではありません。具体的な手続きや判断については、必ず私ども専門家にご相談ください。

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