
質問内容)
①相談種別:永住許可申請における納税申告遅延の影響
②申請種別:新規申請
③状況概要: こんにちは。私はフランス国籍の40歳男性、マルタンです。10年前に「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザで来日し、現在もIT企業でエンジニアとして働いています。永住許可を申請したいと考えています。ただ前回の確定申告の時期に国外にいたというのと、やり方がわからなかったので期限に間に合いませんでした。納税の申告に漏れがあるかと思います。
④質問: この場合、審査に影響しますか?
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回答)
マルタンさん、お問い合わせありがとうございます。永住許可申請における納税申告遅延の影響についてご説明します。
結論から申し上げますと、納税申告の遅延や申告漏れがある場合、永住許可の審査に大きな影響が出る可能性があります。
永住許可の要件と「公的義務の履行」
永住許可の要件の一つに、「公的義務を履行していること」というものがあります。これは、納税や年金納付など、日本社会の構成員として当然に行うべき義務をきちんと果たしているかどうかを審査するものです。所得税の確定申告と納税は、この公的義務の重要な部分に該当します。
納税申告遅延の影響
納税申告の遅延や申告漏れは、公的義務の不履行とみなされるため、永住許可の審査において非常に不利な要素となります。入国管理局は、以下の点を厳しく審査します。
- 遅延の理由: 今回の遅延の理由が、国外にいたことややり方が分からなかったということですが、それがやむを得ない理由と判断されるかどうかは、入国管理局の判断によります。『法の不知はこれを許さず』法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。」 というものがありますので、責任の軽減は非常に難しいといえます。
- 遅延の期間と回数: 今回の遅延が初めてなのか、過去にも同様の遅延があったのか。遅延期間がどのくらいだったのか。
- 申告漏れの金額: 申告漏れの金額が多額であるほど、審査に与える影響は大きくなります。
- 現在の納税状況: 現在、きちんと納税しているかどうか。
- 申請者の反省の度合い: 遅延や申告漏れについて、申請者がどのように考えているか。
マルタンさんのケース
マルタンさんの場合、前回の確定申告の遅延と申告漏れの可能性があるとのことですので、永住許可の審査は非常に厳しくなることが予想されます。
永住申請に向けて
マルタンさんが永住申請を検討されているのであれば、以下の点を最優先で対応する必要があります。
- 税理士への相談と修正申告: まず、税理士に相談し、納税申告の遅延と申告漏れについて、正確な状況を把握し、必要な修正申告の手続きを速やかに行ってください。
- 納税を完了させる: 修正申告の結果、追加の納税が必要な場合は、速やかに納税を完了させてください。
- 理由書の作成: 申請書類の中で、確定申告が遅れた理由と、今後の納税についてどのように考えているのかを、詳細かつ具体的に説明する理由書を作成してください。
- 現在の安定した生活を示す: 現在の職業、収入、納税状況など、安定した生活状況を具体的に示す資料を準備してください。
- 法務局への事前相談: 管轄の法務局に相談に行き、ご自身の状況を詳しく説明し、永住申請が可能かどうか、どのような点に注意すべきかなどを確認してください。
- 誠実な対応: 入国管理局の審査官に対して、常に誠実に対応することが大切です。
非常に重要な注意点
- 納税は、日本で生活する上での基本的な義務です。納税申告の遅延や申告漏れは、永住許可申請において非常に不利な要素となります。
- 税理士への相談と修正申告は、必ず行ってください。これを怠ると、永住許可はほぼ不可能になると考えられます。
- 理由書では、遅延の理由を正直に説明し、反省の気持ちをしっかりと伝えることが重要です。
今回の状況は、永住許可申請において非常に厳しい状況と言えます。しかし、上記の手順を迅速かつ正確に行うことで、可能性を残すことはできます。
早急に税理士に相談し、入国管理局への相談も検討してください。
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