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質問内容)
①相談種別:永住ビザ申請
②申請種別:変更申請
③状況概要: マレーシア国籍の42歳の男性、サムと申します。ITエンジニアとして「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本に10年間滞在しており、先日永住ビザを申請しました。しかし、永住ビザの審査期間中に、勤めていた会社からレイオフ(解雇)されてしまいました。
④質問: 永住ビザの審査中に会社をレイオフされてしまった場合、永住権の審査に影響はあるのでしょうか?また、今後どのように対応すれば良いでしょうか?
回答)
サムさん、永住ビザを申請されたんですね。しかし、審査中にレイオフに遭われたとのこと、大変ご心配ですね。この状況は、永住ビザの審査に大きな影響を与える可能性が高いと言わざるを得ません。
永住ビザの審査においては、安定した生活基盤を有していることが非常に重要な要件の一つです。具体的には、以下の点が考慮されます。
- 安定した収入: 永続的に安定した収入が見込めることが求められます。レイオフにより、現時点での収入が途絶えてしまったことは、この要件を満たさなくなる可能性を示唆します。
- 職業の安定性: 安定した職業に就いていることも、将来的な収入の安定性を示す上で重要です。
- 納税状況: 過去の納税状況は良好とのことですが、今後の収入がない場合、納税義務の履行に支障が出る可能性があります。
- 素行: これまで日本で法律を守り、社会の一員として問題なく生活してきたことは評価されますが、経済状況の悪化は、将来的に社会保障の負担になる可能性も考慮されます。
永住権審査への影響:
レイオフされたという事実は、永住ビザの審査において不利な要素となります。入国管理局は、申請者が将来にわたり安定した日本での生活を送れるかどうかを慎重に判断するため、収入が途絶えてしまった状況は、永住許可の判断を大きく左右する可能性があります。最悪の場合、永住不許可となることも考えられます。
今後取るべき対応:
サムさんが今後取るべき対応としては、以下の点が重要になります。
- 速やかに次の職を探すこと: 最優先で新しい仕事を見つける活動を開始してください。ITエンジニアとしての10年の経験は強みになるはずです。積極的に求職活動を行い、内定を得ることが最も重要です。
- 入国管理局への状況報告: レイオフされた事実を速やかに、永住ビザを申請した入国管理局に報告してください。黙っていることは、後々さらに不利になる可能性があります。状況が変わったことを正直に伝え、今後の就職活動の状況などを説明することが重要です。
- 新しい職の内定を得たらすぐに報告: 新しい仕事の内定を得られたら、すぐにその旨を入国管理局に報告し、雇用契約書などの関連書類を提出してください。これにより、再び安定した収入が見込めることを示すことができます。
- 貯蓄額を示す: もし十分な貯蓄がある場合は、その残高証明書を提出し、当面の生活には支障がないことを示すことも有効です。
- ハローワークの利用: ハローワークで求職活動の支援を受けることも有効です。
- 専門家(行政書士など)への相談: 今後の対応について不安がある場合は、私たちのような行政書士に相談することをお勧めします。状況を詳しくヒアリングし、入国管理局への適切な報告の仕方や、提出すべき書類などについてアドバイスをすることができます。
重要なポイント:
- 諦めずに就職活動を続けること: 永住許可を得るためには、安定した収入を再び得ることが不可欠です。3カ月以上の期間、技術・人文知識・国際業務の活動を行っていない場合、在留資格の取り消し事由に該当しますので不許可リスクが急激に高まります。ハローワークでの求職活動は、失業中の活動内容の証明と次の就職先確保のの為にも必須となります。
- 正直かつ迅速な情報提供: 入国管理局に対して、状況の変化を隠さずに正確に伝えることが重要です。
- 客観的な証拠の提出: 新しい職の内定通知書や雇用契約書、貯蓄残高証明書など、客観的な証拠を提出することで、安定した生活基盤を再び有することを示す必要があります。
今回の状況は厳しいものですが、諦めずに適切な対応を取ることで、永住許可の可能性を残すことができます。まずは、新しい仕事を見つけることに全力を尽くしてください。応援しています。
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