
質問内容)
①相談種別:永住許可申請における家族構成と配偶者の転職の影響
②申請種別:新規申請
③状況概要: インドネシア人女性シャーミラです。現在の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。旦那はインドネシア人で高度専門ロのエンジニアですが、転職がかなり多い。今月も退職して来月からはフリーランスのエンジニアとして働く予定です。エンジニアはスキルアップを求めて転職が多いのですが、子どもは2人いて、世帯年収は夫婦合わせて700万円以上あります。
④質問: このような状況なので永住権を申請する時、私だけ先に申請するのか、それとも家族全員一度に申請するのかどちらが良いでしょうか?
回答)
シャーミラさん、永住許可申請についてのご相談、ありがとうございます。ご家族構成やご主人の転職の件など、詳細な状況を把握いたしました。
永住許可申請をされる際、シャーミラさんだけ先に申請するのか、ご家族全員で同時に申請するのか、どちらが良いかというご質問ですね。慎重に検討する必要があります。
- 永住許可申請の原則
永住許可申請は、原則として、申請者本人が個別に要件を満たしているかどうかで判断されます。したがって、ご家族全員で同時に申請する必要はありません。
- 家族構成が審査に与える影響
しかし、ご家族がいる場合、入国管理局は家族全体の状況を考慮して審査を行うことがあります。特に、以下の点が考慮されます。
- 扶養関係: 申請者が家族を扶養している場合、家族の生活を支えるだけの安定した収入があるかどうかが重要になります。
- 家族の状況: 家族全員が日本で安定した生活を送ることができるかどうかが審査されます。
- ご主人の転職が与える影響
シャーミラさんのご主人が高度専門職ロのエンジニアで、転職が多いという状況は、永住許可の審査において、以下の点で影響を与える可能性があります。
- 高度専門職ロの在留資格の該当:高度専門職は、ご本人のポイント計算の結果は勿論のこと、勤務する会社で行う業務内容にも紐づく在留資格ですので転職により改めて高度専門職の在留資格変更許可申請を行う必要があります。
- 収入の安定性: 転職が多いと、収入が不安定になるのではないかと入国管理局は懸念する可能性があります。特に、今回フリーランスとして働くようになるということは、収入の変動が大きくなる可能性があるため、注意が必要です。
- 職業の安定性: エンジニアはスキルアップのために転職が多いという事情は理解されますが、あまりにも頻繁な転職は、職業の安定性に欠けると判断される可能性があります。
- どちらの申請方法が良いか
シャーミラさんのご状況を踏まえると、どちらの申請方法が良いかは、ご主人の今後の収入の安定性によって判断するのが良いでしょう。
- ご主人の収入が安定していると判断できる場合:
- ご主人がフリーランスとして安定した収入を得られる見込みが十分にある場合(例えば、既に複数の契約がある、収入の見通しが立っているなど)、ご家族全員で同時に申請しても問題ないと考えられます。
- ご主人の収入が不安定になる可能性がある場合:
- ご主人の収入が不安定になる可能性がある場合、シャーミラさんだけ先に申請し、ご主人の収入が安定してから、ご主人の永住許可申請を検討するのが安全な選択肢です。
- 永住許可の要件
念のため、永住許可の主な要件を確認しておきましょう。
- 素行が善良であること
- 独立して生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
- 原則として引き続き10年以上日本に在留していること。ただし、日本人の配偶者、永住者の配偶者又は特別永住者の配偶者の場合、実態を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること
- 公的義務を履行していること
- 日本語能力
- シャーミラさんのケース
シャーミラさんの場合、ご夫婦の世帯年収が700万円以上あり、お子様が2人いらっしゃるとのことですので、経済的な安定性については、ある程度満たしていると考えられます。しかし、ご主人の収入の安定性が審査の重要なポイントとなります。
- 今後のステップ
- ご主人の在留資格を確定させる:退職した場合でも高度専門職を確保するための申請を行う。
- ご主人の収入の見通しを立てる: まず、ご主人がフリーランスとして働くことによる収入の見通しを具体的に立ててください。契約予定の企業、収入額、契約期間などを明確にする必要があります。
- 収入証明資料を準備する: ご主人の収入を証明する資料(契約書、請求書、入金記録など)を準備してください。
- 法務局への相談: 管轄の入国管理局に相談に行き、ご自身の状況を詳しく説明し、どちらの申請方法が良いか、どのような書類が必要かなどを確認することをお勧めします。
- 行政書士への相談: 永住許可申請は複雑な手続きですので、必要に応じて、私たちのような行政書士にご相談ください。
シャーミラさんのご状況を詳しくお伺いし、最適なアドバイスをさせていただきます。お気軽にご相談ください。
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