
質問内容)
①相談種別:永住許可申請
②申請種別:普通永住
③状況概要:
スペイン人のハビエルと申します。ITエンジニアとして日本の企業に7年間勤務しています(「技術・人文知識・国際業務」の在留資格)。4年前に日本人の女性と結婚し、現在は日本で妻と生活しています。永住ビザの申請を検討していますが、3年前に会社のプロジェクトの関係で数ヶ月おきに、A国(具体的な国名は伏せますが、政治的にスペイン、日本ともに関係良好な国)と日本を複数回往復していた際、A国の入国審査で詳細な理由を告げられないまま入国を拒否された経験があります。
④質問: 3年前にA国への入国を一度拒否されたという過去の入国拒否歴は、今回の日本の永住ビザ申請に影響を与えるでしょうか?もし影響がある場合、どのように対応すれば良いでしょうか?
回答)
結論から申し上げますと、過去の海外での入国拒否歴は、日本の永住ビザの審査において考慮される可能性があります。 日本の入国管理局は、申請者の素行が善良であるかどうかを重要な審査項目の一つとしています。この「素行が善良」であるかの判断は、日本国内での法令遵守状況だけでなく、国際的な規範意識も含まれるため、海外での入国拒否歴も審査の対象となるのです。
ただし、その影響の度合いは、入国拒否の理由、時期、そしてハビエルさんの現在の日本での生活状況によって異なります。
考慮すべきポイント
- A国での入国拒否理由: 最も重要なのは、A国で入国を拒否された理由です。
- もし、その理由が日本の入管法における上陸拒否事由に該当するような場合(例:犯罪歴、感染症、公衆衛生上の問題など)、日本の永住ビザ申請にも悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
- 一方、入国拒否の理由が、書類の不備や誤解による一時的なもので、申請者本人の素行に問題がないと判断される場合は、影響が比較的少ないかもしれません。
- A国は政治的にスペイン、日本ともに関係良好な国とのことですので、政治的な理由による入国拒否である可能性は低いと考えられます。
- 入国拒否からの経過期間: 入国拒否されてから今回の永住ビザ申請までの期間も考慮されます。時間が経過しており、その後問題なく日本で生活している実績があれば、過去の出来事として考慮される可能性もあります。ハビエルさんの場合は3年前の出来事です。
- 日本での生活状況: 日本での7年間の勤務状況、納税状況、日本人配偶者との安定した婚姻生活、地域社会への貢献など、日本での良好な生活基盤と法令遵守の姿勢は、過去の入国拒否歴を考慮する上で重要な要素となります。
- 正直な申告と説明: 申請書には、A国での入国拒否の事実を正直に申告し、その理由について可能な限り詳細に説明することが重要です。
今後の対応策
ハビエルさんが日本の永住ビザ申請を成功させるためには、以下の対応策を検討することをお勧めします。
- A国への入国拒否理由の確認: まず、A国の入国管理当局に、入国を拒否された理由について正式な記録や説明を求めることが可能であれば、確認しておくことが望ましいです。
- 詳細な理由書の作成: 日本の入国管理局に提出する理由書には、A国で入国を拒否された経緯、当時の状況、そしてそれが一時的なものであり、ご自身の素行に問題がないと考える理由を丁寧に説明することが重要です。
- 日本での安定した生活を証明する書類の充実: 7年間の日本での勤務状況、安定した収入、納税状況、配偶者との良好な関係を示す書類(住民票、戸籍謄本、写真など)をしっかりと準備しましょう。
- 推薦状の検討: 日本の勤務先の上司や同僚、友人など、ハビエルさんの人となりや日本での生活状況をよく知る第三者からの推薦状を提出することも、信頼性を高める上で有効な場合があります。
- 専門家への相談: 不安な場合は、入管手続きに詳しい行政書士などの専門家に早めに相談し、個別の状況に応じたアドバイスや書類作成のサポートを受けることを強くお勧めします。
まとめ
過去の海外での入国拒否歴は、日本の永住ビザ申請において不利な要素となる可能性はありますが、必ずしも不許可に繋がるわけではありません。重要なのは、入国拒否の理由を正確に把握し、日本の入国管理局に対して誠実に説明すること、そして日本での安定した生活状況と善良な素行を示すことです。
ハビエルさんの場合、A国との良好な関係性や、日本での安定した生活をアピールすることで、永住許可を得られる可能性は十分にあります。諦めずに、しっかりと準備を進めていきましょう。
ご心配な場合は、当事務所でも永住ビザ申請に関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。
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