
質問内容)
①相談種別:ビザ
②申請種別:更新申請
③状況概要: タイ国籍のララ(30代)です。
・在留資格は「日本人の配偶者等」(3年、有効期限2026年9月)
・2025年3月末に日本で離婚手続き済み、8月末にタイでも離婚手続き済み
・入管へは離婚の届出を適正に提出済み
・現在はタイでの離婚手続きのため一時帰国中(9月1日現在)
・日本には住所があり、9月中に日本人と婚姻届を提出予定
・婚姻成立後は日本で同居予定、その後タイでの婚姻報告手続きを進める予定
④質問内容: 前夫との離婚から6ヶ月が経過し、入管法上の取消事由に該当する9月末までに、タイでの再婚手続きまでが終わりそうにありません。先がけて行う日本での婚姻は何とか間に合うかどうかという状況ですが、この場合、念のため入管へ現状を説明し、「定住者」への切替えを相談しておくべきでしょうか。
行政書士からの回答)
ララさん、ご相談いただきありがとうございます。前夫との離婚手続き、そして新しい日本人の方との再婚に向けて、大変お忙しいことと存じます。離婚から再婚までの期間が短いため、現在の在留資格とビザの取り消しについてご心配されるのは当然のことです。
1. 離婚後の在留資格と「6ヶ月ルール」について
入管法では、「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ方が配偶者と離婚した場合、在留資格に基づく活動(日本人の配偶者としての活動)を6ヶ月以上行わずに在留していると、在留資格が取り消される可能性があると定められています。これが一般に言われる「6ヶ月ルール」です。
ララさんの場合、2025年3月末に日本で離婚が成立していますので、6ヶ月後の9月末がこの期限となります。
2. 「定住者」への切替えを相談すべきか?
結論から申し上げますと、離婚後6ヶ月の期限が迫っているからといって、安易に「定住者」への切替えを相談するのはお勧めできません。
定住ビザは、「日本人の配偶者等」ビザとは異なる、独立した在留資格です。定住ビザへの変更が認められるのは、特別な事情がある場合に限られます。
ララさんの場合、
- 前夫との離婚後、すでに新しい日本人の方と婚姻届を提出し、日本で安定した生活を送ることが確定している
- 今後「日本人の配偶者等」ビザへの更新を前提としている
このような状況で、わざわざ「定住者」ビザへの切替えを相談することは、かえって入管に混乱を招き、手続きを複雑化させる恐れがあります。
入管は、ご本人の状況を総合的に判断します。再婚の手続きが進んでおり、日本での生活に継続性があることが明確であれば、在留資格が取り消されるリスクは低いと考えられます。
3. 今後取るべき最善の対応策
ララさんが今後取るべき最善の対応策は、以下の通りです。
- 1.速やかに日本人配偶者と日本での婚姻手続きを完了させる:
- 日本での婚姻が成立すれば、ご主人の戸籍謄本に婚姻の事実が記載されます。これが、今後の在留資格更新申請において、最も重要な書類となります。
- 2.入管への「再婚の報告」と「在留資格更新」を同時に行う:
- 離婚後、入管へは適正に届出をされているとのこと、素晴らしい対応です。
- 日本での婚姻が成立したら、速やかに、新しいご主人との婚姻を証明する書類(戸籍謄本など)を持って入管へ報告しましょう。
- その際、在留期限が2026年9月まであるため、更新申請はまだ出す必要はありません。 しかし、入管の窓口で状況を説明し、今後の相談をすることは良いでしょう。
- 在留資格の更新は、現在のビザの有効期限が切れる約3ヶ月前から申請が可能です。
- 3.「離婚から6ヶ月」という期間をどう考えるか:
- 入管法上の「6ヶ月ルール」は、離婚後、日本人の配偶者としての活動を6ヶ月以上行わずに在留している場合に適用されます。
- ララさんの場合、離婚後すぐに新しい日本人の方と再婚し、日本で生活を再開されるとのことですので、このルールに該当しないと判断される可能性が高いです。
- 念のため、日本での婚姻が成立次第、入管に報告し、新しい生活がスタートしていることを明確に伝えるようにしましょう。
4. まとめとララさんへのアドバイス
ララさん、まずはご安心ください。離婚後6ヶ月という期間が迫っていますが、新しい日本人の方と再婚し、日本での生活を継続されるとのことですので、在留資格が取り消される可能性は低いと考えられます。
- 最優先事項は、新しいご主人との日本での婚姻手続きを完了させることです。
- その後、入管に速やかに婚姻の報告をし、新しい生活が始まったことを伝えましょう。
- タイでの婚姻報告手続きは、日本での在留資格更新には直接影響しませんので、焦る必要はありません。
- 今後の在留資格の更新は、現在のビザの有効期限が切れる約3ヶ月前に、新しいご主人との婚姻関係を証明する書類を揃えて、申請してください。
この件についてご不安な点があれば、私たち行政書士のような専門家にご相談いただき、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。ララさんの日本での新しい生活が順調に進むよう、心よりお祈り申し上げます。