質問内容)
① 相談種別: 在留資格の更新可能性について
② 申請種別: 「日本人の配偶者等」の在留期間更新許可申請
③ 状況概要: 中国籍のハオランと申します(50歳)。私は日本人の実子(日本人の父と中国人の母の間に生まれた子)として、3年前に「日本人の配偶者等」のビザ(期間3年)で来日しました。
来日時の計画では就職する予定でしたが、日本語が不十分で叶わず、最初の2年間は自宅のDIYリフォームに専念していました。生活費は、中国時代から20年来のパートナーである内縁の妻(日本人)が負担しています。昨年からようやくアルバイトを始め、昨年の年収は約30万円、今年は100万円ほどになる見込みです。
資産としては、全世界で約1,000万円の預金があり、現在の自宅は内縁の妻と半分ずつ出し合って購入(私の持分は約500万円)した共有名義です。年金などの未納はありません。
④ 質問内容: あと3ヶ月で期限が切れるため更新を予定していますが、私の年齢や、まだ低い日本語能力、職歴(キャリア)などは審査の判断基準になりますか?収入が少ないことが不安です。将来的には永住も考えています。
行政書士からの回答)
ハオラン様、ご相談ありがとうございます。日本人の実子として日本での生活をスタートされ、ご自宅の整備など基盤作りをされてきたのですね。20年来のパートナー様との支え合いも、非常に心強い要素です。
結論から申し上げますと、「日本人の配偶者等(実子)」の更新審査において、日本語能力や職歴、年齢が直接の「不許可事由」になることはありません。 しかし、審査官が最も注目するのは「今後、日本で安定して独立自計(生計を立てる)ができるか」という点です。ハオラン様の状況を踏まえたポイントを整理します。
1. 審査における「年齢・日本語・キャリア」の扱い
まず、ハオラン様が心配されている項目について回答します。
- 日本語能力: 「日本人の配偶者等」のビザは、身分に基づいた資格です。「技術・人文知識・国際業務」のような就労ビザとは異なり、高い日本語能力や特定の学位は求められません。勉強中であることは、むしろ日本への定着意欲として肯定的に捉えられます。
- 年齢とキャリア: 50歳という年齢や、これまでの職歴が日本で活かせていないこと自体も不許可の理由にはなりません。ただし、来日時の「就職予定」という約束が守れなかった経緯については、理由書で「なぜ就職できなかったのか」「その間何をしていたか(DIYによる資産価値の維持など)」を誠実に説明する必要があります。
2. 収入不足を「資産」で補完できるか
更新審査で最も重要なのは「生計の安定性」です。
- 現在の収入: 年収30万円、あるいは100万円という数字は、一般的には「独立した生計」としては不十分とみなされます。しかし、ハオラン様には以下の強みがあります。
- 多額の預貯金(1,000万円): 年収が低くても、十分な手元資金があれば当面の生活に困らないと判断されます。
- 不動産の共有持分(500万円相当): 住む場所が確保されており、かつ資産を有していることは大きなプラス材料です。
- 内縁の妻による扶養: 20年という長い婚姻実態に近い関係性があり、彼女に安定した収入があるならば、世帯全体としての生計維持能力が認められます。
3. 「理由書」で説明すべき重要ポイント
今回の更新では、単に書類を出すだけでなく、以下の内容を盛り込んだ「理由書」を作成することをお勧めします。
- 1.当初計画との乖離: 「来日直後に就職できなかった理由」と、その期間を無為に過ごしたのではなく「住居の整備(リフォーム)という生活基盤の構築」に充てていたことを説明します。
- 2.現在の活動: アルバイトを始め、徐々に収入が増えている(30万→100万)という「向上心」を見せます。
- 3.資産の証明: 中国および日本の通帳コピー、不動産の登記事項証明書を添付し、金銭的に自立していることを客観的に示します。
- 4.公的義務の履行: 年金や税金の未納がないことは、日本で暮らす上での誠実さ(素行善良)の最大の証明です。これは永住申請時にも極めて重要視されます。
4. 将来の「永住許可申請」を見据えて
将来的に永住を希望されているとのことですので、今のうちから意識しておくべきことがあります。
- 在留期間「3年」の維持: 永住申請には、現在持っているビザの期間が「3年以上(最長の期間)」である必要があります。(2027/04/01以降は5年間が必要)今回の更新で、収入の不安定さを理由に期間が「1年」に短縮されてしまうと、永住への道が遠のきます。そのためにも、今回の更新で「資産背景」をしっかりアピールし、再度「3年」を勝ち取ることが重要です。
- 健康保険・年金の継続: 永住審査は直近の年金・保険の支払いに1日の遅れも許さないほど厳格です。現在の「未納なし」という素晴らしい状態を、今後も必ず継続してください。
5. 行政書士からのメッセージ
ハオラン様、50歳からの日本での再スタート、日本語の壁もあり大変なことも多いかと思います。しかし、日本人の実子という強い身分があり、確かな資産背景もあるため、自信を持って更新に臨んでください。
「お金はあるけれど仕事がまだ少ない」という状況は、理由書の書き方次第で「生活基盤が既に安定している余裕のある申請者」という好印象に変えることができます。4月に向けて、まずは国内外の資産を証明する書類の整理から始めましょう。ハオラン様の誠実な生活実態が伝われば、許可の可能性は非常に高いと考えられます。
※ 本記事は2026年4月時点の情報に基づいて作成されています。最新の入管審査要領については、必ず出入国在留管理庁の告示または専門家にご確認ください。
