① 相談種別: 家族滞在ビザ(子どもの呼び寄せ)
② 申請種別: 在留資格認定証明書交付申請(CoE)
③ 状況概要: ベトナム国籍のチュクと申します。以前は特定技能1号で働いていましたが、この度「特定技能2号」へ変更することができました。1号のときは家族を呼ぶことができなかったため、ベトナムにいる4歳の実子をずっと日本に呼びたいと願っていました。ようやくその権利が得られたので、一刻も早く手続きを行いたいです。
④ 質問内容: 私はシングルマザーです。入管の審査において、「片親での子どもの呼び寄せ」は両親が揃っているケースに比べて許可されにくいなどの傾向はありますでしょうか? また、審査をスムーズに進め、確実に許可をもらうために、どのような立証資料を用意するのが効果的か教えてください。
行政書士からの回答)
チュク様、特定技能2号へのステップアップ、本当におめでとうございます!大変な努力を重ねてこられた結果ですね。離れて暮らす4歳のお子様と日本で一緒に暮らしたいというお気持ち、行政書士として全力でサポートさせていただきます。
結論から申し上げますと、「シングルマザーだから不許可になる」ということは決してありません。 特定技能2号の資格があれば、法律上、お子様を「家族滞在」ビザで呼び寄せる権利があります。
しかし、実務上の傾向として、片親がお子様を単独で呼び寄せるケースは、両親が揃っている場合よりも入管の審査が厳しくなる(慎重に審査される)のは事実です。 入管が何を懸念し、それを払拭するためにどのような書類を用意すべきか、具体的に解説します。
1.入管がシングルマザーの申請で厳しくチェックする「3つのポイント」
入管が片親での呼び寄せで最も注目するのは、以下の3点です。
- 法的な監護権(親権)の有無: 「本当にお母様が1人でお子様を日本へ連れていく権利があるのか(もう一人の親から誘拐・連れ去りと言われないか)」
- 日本での養育体制: 「特定技能2号としてフルタイムで働きながら、4歳の子どもを1人でどうやって育てるのか(孤立育児、育児放棄にならないか)」
- 生計維持能力: 「お母様1人の収入で、自分と子どもの2人が日本で十分に暮らしていけるか」
これらを書類で一つずつ「問題ありません」と証明していく必要があります。
2.効果的な立証資料と集めるべき書類リスト
チュク様の場合、ベトナムの公的書類と、日本での生活基盤を示す書類を組み合わせることが大切です。
① 親権・監護権を証明する書類(ベトナム側)
お子様が「実子」であること、そしてチュク様が法的な養育権を持っていることを証明します。
- 出生証明書(Giấy khai sinh): 必須です。お母様としてチュク様の名前が記載されているもの。
- 離婚している場合: ベトナムの裁判所が発行した離婚判決書(Bản án ly hôn)または離婚決定書(Quyết định ly hôn)の写し。そこに「子どもの親権・養育権は母親(チュク様)にある」と明記されている必要があります。
- 未婚(認知なし)の場合: 父親の欄が空欄、または父親からの親権主張がないことを示す独身証明書(Giấy xác nhận tình trạng hôn nhân)。
- 【極めて重要】父親からの同意書(Giấy đồng ý / Biên bản đồng ý): もし元夫(父親)が生きており、連絡が取れる状態であれば、「子どもが日本へ渡航し、母親の扶養下で暮らすことに同意する」という内容の書面を作成し、ベトナム現地の公証役場(Ủy ban nhân dân等)で公証を受けたものを提出すると、入管の信頼度が劇的に上がります。
② 日本での養育体制を証明する書類
4歳のお子様は、1人で留守番をすることはできません。チュク様が仕事に行っている間、お子様が安全に過ごせる環境を確保していることを示します。
- 保育園の受入見込み・相談記録: 現在お住まいの市区町村(役所)の保育課などに行き、「子どもを呼び寄せる予定なので、保育園に応募したい」と相談してください。役所でもらえる「保育利用のしおり」や、相談した際の記録、空き状況の資料などを添付します。
- 勤務先(受入企業)からのサポート証明書: チュク様の会社に協力してもらい、「チュク様が子育てをしながら働けるよう、残業を配慮する」「シフト調整を行う」「急な発熱時の有給取得を認める」といった、会社側のサポート体制を記した書面(雇用主の意見書・証明書)を発行してもらいましょう。特定技能2号を抱える企業であれば、協力してくれるはずです。
③ 経済力を証明する書類(日本側)
2人分の生活費、家賃、保育料を支払える安定した収入があるかを示します。
- 課税・納税証明書(直近分): 税金や社会保険料を滞納なく納めていることは大前提です。
- 給与明細および雇用契約書: 2号になり、お給料が上がっている場合は、その新しい条件が書かれた契約書を提出します(一般的に月給20万〜25万円以上が安定の目安とされます)。
- 賃貸借契約書: 現在のお部屋が、子どもと2人で暮らすのに十分な広さ(ワンルームではなく、1DKや2Kなど)であるか、あるいは引っ越し予定がある場合はその計画を示します。
3.「申請理由書(養育計画書)」の重要性
書類を揃えるだけでなく、チュク様ご自身が書く「理由書」が今回の審査の合否を分けます。理由書には、感情論ではなく以下のストーリーを論理的に記載します。-
1.特定技能2号を取得し、日本での長期的な在留と安定した収入が確保できたこと。
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2.ベトナムにいる4歳の子どもを、これまでは1号の制限で呼べなかったが、ようやく一緒に暮らす準備が整ったこと。
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3.朝、保育園に送ってから出社し、夕方お迎えに行くという具体的な「1日のタイムスケジュール(養育計画)」。
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4.万が一、自分が残業や病気になったときは、会社の同僚や近隣のサポート(ファミリーサポート等)をどう利用するか。
4.行政書士からのメッセージ
チュク様、4歳という可愛い盛りの時期に離れて暮らしていたのは、本当に寂しかったことと思います。2号になれた今こそ、その寂しさを埋め、日本でお子様を育てる夢を叶える時です。
片親の呼び寄せは、入管から「本当に日本で育てられるの?」という意地悪な視点で見られがちですが、それは裏を返せば「子どもの福祉(安全)」を心配しているからです。「そもそも、年収が幾らで、そのうえでこれだけの準備しているから、1人でも絶対に大丈夫です」という完璧な書類を提出すれば、入管による審査も良い結果を期待できるでしょう。
ベトナムの書類(離婚公証書や同意書)の作成には少しコツが必要です。また、日本語への翻訳も必要になります。期限に余裕を持って、まずは会社や役所の保育課への相談からスタートしましょう。親子が日本で笑顔で抱き合える日を目指して、一緒に頑張りましょう!
※ 本記事は2026年5月初旬時点の情報に基づいて作成されています。特定技能2号の家族帯同(家族滞在)の実務運用は、受入企業の規模や地方入管によって判断が繊細なケースがあります。

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