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オフィス契約1年でも認定可能?審査期間と注意点

  • 6月 10 2025
  • FESO

質問内容)

①相談種別:高度専門職1号ハ

②申請種別:在留資格認定証明書交付申請

③状況概要:

私は韓国でアクセサリーの卸売・小売業を経営しているジェニーです。この度、日本で店舗とインターネットでの小売業を始める予定で、高度専門職1号(ハ)の認定申請を検討しています。現在、審査期間が長くなっていると聞いているため、店舗の賃貸契約は在留資格取得後にしたいと考えています。そこで、独立したレンタルオフィスを契約して申請しても問題ないか、また、その場合の契約期間が1年だと審査にマイナスの影響があるのか、教えていただきたいです。

④質問:

高度専門職1号(ハ)の認定申請において、独立したレンタルオフィスを契約して申請しても問題ないでしょうか?また、その場合の契約期間が1年だと審査にマイナスの影響はありますか?最低でも2年契約が必要といった条件があれば教えてください。

 

 

 回答)

ジェニーさん、ご相談ありがとうございます。韓国でアクセサリーの卸売・小売業を経営されているとのこと、日本での事業展開に非常に期待が膨らみますね。高度専門職1号(ハ)の認定申請における事務所の要件、特にレンタルオフィスと契約期間について、詳しくご説明させていただきます。

 

1. 独立したレンタルオフィス(シェアスペース)の利用について

結論から申し上げると、独立したレンタルオフィス(シェアスペース)を事業所として利用し、高度専門職1号(ハ)の認定申請を行うことは可能です。

入管が重視するのは、その場所が事業活動を継続的に行える実態のある拠点として機能するかどうかです。以下の点に注意してください。

  • 独立性・排他性: シェアオフィスやコワーキングスペースでも、特別な契約を締結し或いはプランの選択等により、個室として専用の使用権があり、施錠可能であるなど、独立した執務スペースが確保されていることが重要です。郵便物の受け取りや電話の設置が可能であることも求められます。不特定多数が出入りするオープンスペースの一部では、事務所としての実態が認められない可能性が高いでしょう。
  • 事業活動の実態: そのレンタルオフィスが、実際に事業活動の中心拠点として機能する場所である必要があります。例えば、事業計画書に記載された業務をそこで行うことができるか、顧客との打ち合わせや従業員の執務が可能か、といった点が審査されます。
  • 契約内容の確認: レンタルオフィスの契約書には、上記のような独立性や事業活動への利用が認められている旨が明記されているか確認が必要です。

店舗の賃貸契約はビザ取得後とのことですので、まずは業務を行うための拠点を確保することが重要です。レンタルオフィスはその選択肢の一つとして有効です。

 

2. 契約期間が1年の場合の審査への影響について

ご質問の「契約期間が1年」である場合の審査への影響ですが、「原則として、マイナスの影響はありません」

日本の不動産賃貸契約は、オフィスであっても1年契約や2年契約が一般的であり、その期間が事業の継続性や安定性を直接的に否定するものではありません。入管が重視するのは、事業そのものの継続性・安定性であり、事務所の賃貸契約期間が1年であることのみをもって不許可となることは稀です。

  • 最低2年契約が必要といった条件はありません。 日本の法令上、特定の在留資格の取得要件として事務所の賃貸契約期間を2年以上と定めているものはありません。

 

ただし、以下のような場合は注意が必要です。

  • 事業計画との整合性: 事業計画書において、賃貸契約期間1年のレンタルオフィスが、今後の事業拡大や従業員の増加に対応できる場所なのか、また、物販事業の場合は、在庫を保管する機能を持たせる場所が必要なケースもありますので、別に在庫保管用に物件を借りていることや、レンタルオフィスの一角に占有スペースを確保して保管するなど、合理的な説明が必要です。
  • 更新可能性: 契約が1年であっても、その後更新可能であること、または事業拡大に応じて別の場所へ移転する計画があることを説明できれば問題ありません。

 

3. その他留意すべき点

高度専門職1号(ハ)の認定申請において、事務所の確保以外にも以下の点に留意してください。

  • 事業計画書の説得力: 高度専門職ビザの審査では、事業の新規性、実現可能性、収益性、安定性、そして日本経済への貢献度が厳しく審査されます。アクセサリーの卸売・小売業として、どのようなターゲット層に、どのような商品を、どのような方法で提供するのか、具体的かつ詳細な事業計画書を作成することが不可欠です。
  • 資金の安定性: 設立資金として十分な金額(一般的には500万円以上)が確保されていることはもちろん、事業開始後の運転資金についても余裕があることを証明する必要があります。資金の出所についても明確に説明できるよう準備してください。
  • 報酬設定の妥当性:高度専門職のポイント目当てで不相応に高額の報酬を設定しているケースもありますが、資本金の額や事業の売上/利益とのバランスが重要です。
  • 申請者の高度性: 申請者であるあなたのこれまでの職務経験、学歴、韓国での経営実績などが、日本で行う事業とどのように関連し、どのように貢献できるのかを具体的にアピールする必要があります。
  • 日本語能力: 小売業を行う場合、顧客対応や従業員とのコミュニケーションにおいて日本語能力が求められます。日本語能力試験(JLPT)のN1またはN2の取得は、大きなプラス要素となります。
  • 審査期間の長期化への対応: おっしゃる通り、現在、高度専門職の審査期間が長くなっている傾向にあります。申請から認定証明書が交付されるまでに数ヶ月かかることを想定し、事業開始のスケジュールに余裕を持つことが重要です。

まとめ

高度専門職1号(ハ)の認定申請において、独立したレンタルオフィスを事業所として利用し、契約期間が1年であることは、原則として問題ありません。 最も重要なのは、そのオフィスが事業活動の実態を伴う場所であること、そして提出する事業計画書が説得力のある内容であることです。

ご自身の韓国での事業実績をしっかりとアピールし、日本での事業の実現可能性/再現性を明確に説明することで、円滑なビザ取得を目指しましょう。

ご不安な点があれば、私たち行政書士のような専門家にご相談いただくのが最も確実です。あなたの申請がスムーズに進むよう、応援しています。