経営管理ビザFAQ

経営管理ビザ

経営管理ビザは業績が悪いと更新されない?更新できなかった場合の救済措置は?

  • 9月 18 2025
  • FESO

質問)

①相談種別:ビザ

②申請種別:更新

③状況概要:フランス国籍のアントワン(35歳)です。日本で貿易会社を経営しており、経営管理ビザを保有しています。事業を始めて3年になりますが、なかなか業績が伸びず、赤字が続いています。会社の資金繰りも厳しい状況です。

④質問: このまま会社の業績が悪いと、経営管理ビザの更新ができないのでしょうか?もし更新が許可されなかった場合、日本に引き続き滞在するための救済措置などはありますか?

 

行政書士からの回答)

アントワンさん、ご相談いただきありがとうございます。会社経営の厳しい状況、お察しいたします。経営管理ビザの更新と、業績不振の場合の対応について、詳しくご説明させていただきます。

1. 会社の業績が悪いと経営管理ビザは更新されないのか?

結論から申し上げますと、会社の業績が悪い(赤字が続いているなど)場合、更新されない可能性は十分にあります。

経営管理ビザは、外国籍の方が日本で事業を「経営」または「管理」し、その事業活動が日本経済に貢献することを目的としています。そのため、事業が継続・安定していることが、更新許可の最も重要な要件となります。

入国管理局は、更新申請の際に提出される以下の書類を厳しく審査し、事業の継続性を判断します。

  • 会社の財務状況: 直近の決算書(貸借対照表、損益計算書など)
  • 事業の実態: 事業活動がきちんと行われているかを示す書類(オフィス賃貸契約書、取引実績を示す請求書や契約書など)
  • 経営者の活動: 経営者として事業改善のためにどのような努力をしてきたかを示す書類(事業計画書など)

赤字が続いている場合でも、その原因と具体的な改善策を説得力のある事業計画書や理由書で詳細に説明できれば、更新が許可される可能性はゼロではありません。しかし、単に業績が悪いだけでは、「事業の継続が困難」と判断され、不許可となるリスクは高まります。

2. 更新が許可されなかった場合の救済措置

万が一、経営管理ビザの更新が不許可になった場合でも、すぐに日本を出国しなければならないわけではありません。以下の選択肢が考えられます。

  1. 1.特定活動ビザへの変更: 一時的に日本での滞在を継続するための救済措置として、「特定活動ビザ」が許可される場合があります。これは、事業の清算手続きや、帰国、再就職活動を行うための準備期間として与えられることが多く、期間は通常、1か月若しくは数ヶ月から半年程度です。
  2. 2.他の就労ビザへの変更: もし、ご自身の専門性(学歴や職務経験)を活かせる就職先が見つかれば、別の就労ビザ(例:「技術・人文知識・国際業務」など)への変更を検討できます。
  3. 3.再申請: 不許可になった理由を解消し、事業計画を見直すなどして、改めて更新申請を行うことも可能です。ただし、一度不許可になった案件は、より厳しく審査されるため、専門家(行政書士など)に相談し、慎重に準備を進める必要があります。
  4. 4.出国準備: これらの選択肢が難しい場合、最終的には日本を出国する必要があります。

まとめとアントワンさんへのアドバイス

アントワンさん、現在の会社の業績が芳しくないとのことですが、まずは諦めずに更新に向けて準備を進めることが重要です。

  • 現在の事業状況を正確に分析する: なぜ赤字が続いているのか、その原因を詳細に分析してください。
  • 説得力のある改善計画を作成する: 今後どのように事業を立て直し、収益を上げていくのか、具体的な数字と根拠に基づいた事業計画書を作成してください。
  • 理由書で詳細に説明する: 赤字の原因が外的要因(例:COVID-19の影響など)である場合は、その旨を明確に説明し、今後の市場動向と改善策を結びつけて説明しましょう。

事業の継続性や安定性は、経営管理ビザの根幹をなす要件です。更新申請の際は、業績の悪化を隠すのではなく、その原因と具体的な改善策を明確に説明することが重要です。

ご不安な場合は、私たち行政書士のような入管手続きの専門家にご相談ください。日本でのビジネスが成功するよう、全力でサポートさせていただきます。