質問)
① 相談種別:経営管理ビザの維持・変更
② 申請種別:在留資格変更許可申請(経営管理→技術・人文知識・国際業務へ)
③ 状況概要:マレーシア人のダレンと申します。現在、「経営管理」ビザで在留して2年になります。クライアントとの契約が打ち切りとなり、会社経営による収入の維持が厳しくなったため、会社を閉鎖し、現在は「技術・人文知識・国際業務」(技人国)ビザへの切り替えを目指して転職活動中です。
④ 質問:
転職先が決まった場合、現在の「経営管理」ビザをキャンセルして「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更するためには、どのような手続きが必要ですか。特に、経営していた会社を閉鎖する際の手続きも含めて教えていただきたいです。
行政書士からの回答とアドバイス
ダレン様、ご相談ありがとうございます。経営状況の変化に伴う在留資格の切り替えは、非常に重要な手続きです。適切な対応を取らないと、今後の在留に影響が出る可能性があるため、慎重に進める必要があります。
経営管理ビザから就労ビザ(技人国)への変更は可能ですが、ビザの変更申請と、経営していた会社の処理という二つの手続きを並行して進める必要があります。
1. 在留資格変更許可申請(技人国への切り替え)
転職先が決まったら、速やかにこの手続きを行う必要があります。
- 申請のタイミング: 転職先からの内定が出て、正式な雇用契約書が締結された後、速やかに最寄りの地方出入国在留管理局に申請します。
- 申請書類の主な注意点:
- 活動内容の適合性: 転職先の仕事内容が、ダレン様の学歴や職務経験に合致する専門的なものである必要があります。
- 雇用安定性: 転職先の会社の経営状況や安定性、そしてダレン様の給与額が安定した生活を送るのに十分であるか(生計要件)が審査されます。
- 経営管理ビザの終了の説明: 経営していた会社が存続できなくなった経緯や、やむを得ず会社を閉鎖し転職に至った理由を、申請理由書で詳細かつ誠実に説明する必要があります。
2. 経営していた会社の処理と届出について
「経営管理」は、日本で会社を経営・管理するためのビザです。そのため、在留資格を変更する前に、経営していた会社を適切に処理する手続きが求められます。
(1) 会社を閉鎖する場合の手続き(税務・法務)
- 税務署等への届出: 法務局で会社の解散および清算結了登記を行うとともに、税務署、都道府県税事務所、市町村役場に廃業届を提出する必要があります。
- 社会保険・労働保険の手続き: 従業員がいた場合は、健康保険や厚生年金、雇用保険などの資格喪失手続きを行う必要があります。
- 出入国在留管理庁への届出:
- 会社を経営していた場所から離れる場合や、事業を辞めた場合は、「所属機関に関する届出(事業の終了)」を14日以内に行う義務があります。
(2) 会社を休眠する場合
会社を完全に閉鎖せず、「休眠」させる選択肢もあります。この場合も、税務署等への休眠届の提出が必要ですが、経営管理ビザから技人国ビザに変更した場合、その後の経営管理ビザの更新や再取得が困難になる可能性があります。
3. 経営管理ビザの「キャンセル」という概念について
「経営管理ビザをキャンセルする」という手続きは厳密にはありません。実際には、以下のいずれかの方法で在留資格が切り替わります。
- 在留資格変更許可: 技人国への変更申請が許可された場合、許可が下りた時点で自動的に「経営管理」は失効し、「技術・人文知識・国際業務」が有効になります。
- 特定活動(猶予期間): 転職活動が長期化し、現在の「経営管理」ビザの在留期限が迫っている場合は、一時的に「特定活動(就職活動)」のビザに変更する猶予期間を設けることも可能です。
4. 行政書士からのアドバイス
ダレン様はすでに転職活動中とのことですが、まずは技人国ビザの許可要件を満たす転職先を確保することを最優先にしてください。
会社経営の失敗という事実は、直ちに在留資格の審査で不利になるわけではありません。しかし、その後の債務処理や税務手続きを適切に完了させ、法令遵守の姿勢を示すことが、技人国ビザへの変更許可を得るための重要なポイントとなります。
転職先が決まり次第、会社の閉鎖手続きとビザ変更申請を並行して進める必要がありますので、専門家にご相談いただくことをお勧めします。
※ 本記事は記事公開時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は必ず出入国在留管理庁の公式ウェブサイト等でご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のケースに対する法的なアドバイスではありません。具体的な手続きや判断については、必ず専門家にご相談ください。
