質問)
① 相談種別: 経営・管理ビザの更新
② 申請種別: 在留期間更新許可申請
③ 状況概要: コロンビア国籍のソフィアと申します。2024年にスタートアップビザで来日し、2025年5月に「経営・管理」ビザ(1年)を取得しました。母国でも会社を経営していますが、日本法人は立ち上げ手続きが長引き、2025年度の売上はすべて母国側に計上され、日本側はゼロでした。不足分は母国法人から400万円を送金して補っています。
④ 不安な点:
- 400万円という高額送金の受取りについて税務申告が未完了であること。
- 日本での所得が低く、社会保険料が最低額であること。
- これらが次回のビザ更新に悪影響を及ぼさないか心配です。
行政書士からの回答とアドバイス)
ソフィア様、ご相談ありがとうございます。スタートアップから「経営・管理」へと着実にステップアップされていますね。設立1年目は諸手続きで売上が立たないケースは珍しくありませんが、更新に向けていくつか整理すべきポイントがあります。
結論から申し上げますと、「売上ゼロ」や「社会保険料の低さ」そのものよりも、それらを補填している「資金の性格」と「税務上の整合性」をしっかり説明できるかどうかが非常に重要となります。
1. 母国からの400万円の送金について
400万円の送金は、日本での生活費や事業継続のための重要な原資ですが、入管は「そのお金が何として入ってきたか」を注視します。
- 資金の性格を明確に: 母国法人からの「役員報酬」なのか、日本法人への「貸付金(または投資)」なのかを明確にする必要があります。
- 税務申告の重要性: もしこれが「役員報酬(所得)」であれば、日本居住者として所得税の確定申告(または年末調整)が必要です。税務申告が完了していない状態での更新申請は、「公的義務の不履行」とみなされるリスクがあります。3月の確定申告時期に合わせて、適切に申告を済ませておきましょう。
- 400万の捻出の仕方:違法性の有無には厳しい審査の目が向けられます。マネーロンダリング(資金洗浄)を行っていないか、又は手助けをしていないか、或いは他の犯罪がらみの資金ではないのか等々、お金の出所として母国法人の決算内容や預貯金の移動履歴を示す必要性がると判断され提出要求へと発展することもあります。
2. 社会保険料が最低額である点
社会保険(健康保険・厚生年金)に加入していること自体は、更新においてプラスの評価です。
- 審査の視点: 保険料が最低額であることは、現在の「役員報酬」が低く設定されていることを意味します。入管は「その報酬額で日本で安定して暮らしていけるか(生計維持能力)」を確認します。また、申告のされていない所得の有無についても疑念は持たれることになるでしょう。
- 対策: 他に母国からの仕送りや十分な預貯金があることを通帳コピー等で証明できれば、保険料が最低額であっても直ちに不許可になることはありません。ただし、「今後の事業計画」において、報酬額を上げていく見通しを示すことが重要です。
3. 日本法人の売上ゼロをどう説明するか
設立1年目の「売上ゼロ」は、合理的な理由があれば許容される範囲内です。
- 理由書での立証 「準備行為(許認可、販路開拓など)に時間を要した」という具体的な経緯を記載した理由書を提出してください。
- 母国法人の実績活用: ソフィア様の場合、母国で既に経営実績がある点は強力な武器です。「母国ではこれだけ実績があり、日本でもそのノウハウを移転中である」と説明することで、事業の継続性をアピールできます。
- 経営管理の申請内容:直近の申請内容における説明と、現状と事業計画との乖離について改めて検証しておく必要があり、理由書の中で補足説明について準備しておく方が良いでしょう。
4. 行政書士からのメッセージ
ソフィア様、まずは「400万円の送金に関連する税務申告」を最優先で整理しましょう。未申告のまま申請すると、「脱税」や「不透明な資金」「資金洗浄加担」を疑われる恐れがあります。
2025年10月から「経営・管理」ビザの要件が一部厳格化(または新基準の適用)されていますが、ソフィア様のようにスタートアップから移行された方は、これまでの活動実態を丁寧に説明すれば道は開けます。焦らず、まずは足元の「納税・申告」を完璧に整えてから更新に臨みましょう!
※ 本記事は2026年時点の情報に基づいて作成されています。2025年10月の法改正に伴う経過措置等の詳細については、必ず最新の指針を確認してください。
