質問内容)
① 相談種別: 在留資格変更
② 申請種別: 経営・管理
③ 状況概要: トルコ国籍、24歳男性、エルドアン(仮名)。留学ビザで日本在留中。2025年3月に日本の大学卒業予定。
④ 質問内容: 私は現在、留学ビザで日本に滞在しており、来年の3月に日本の大学を卒業する予定です。卒業後、日本で会社を設立したいと考えているのですが、このような状況で経営・管理ビザを取得することは可能でしょうか?会社設立のための資金調達は、エンジェル投資家から行う予定です。
回答)
エルドアン様、日本での起業という夢をお持ちなのですね。留学ビザから経営・管理ビザへの変更についてですが、条件を満たせば、十分に可能です。
日本の大学を卒業されることは、経営・管理ビザ申請において有利な要素となります。積極要素として評価される可能性があります。
経営・管理ビザ取得の主な要件
外国人の方が日本で会社を設立し、経営・管理ビザを取得するためには、主に以下の要件を満たす必要があります。
- 事業の安定性及び継続性:
- 具体的な事業計画があり、その実現可能性が高いこと。
- 安定した事業運営が見込まれること。
- 継続的に事業を行うことができる体制があること。
- 事務所の確保: 日本国内に事業活動を行うための独立した事務所を確保していること。自宅兼事務所は原則として認められません。
- 資本金の要件: 原則として、500万円以上の資本金を用意していること、または事業規模がこれに相当すると認められること。
エルドアン様のケースにおける検討事項
- 卒業後の在留資格変更のタイミング: 大学卒業前に経営・管理ビザへの変更申請を行うことは通常できません。卒業後、速やかに準備を進める必要があります。
- 事業計画の詳細: どのような事業を計画しているのか、具体的な内容、市場調査、収益見込みなどを明確に示す必要があります。実現可能性の高い、詳細な事業計画書を作成することが非常に重要です。
- 事務所の確保: 事業を行うための事務所を契約する必要があります。卒業後の住居とは別に、事業専用のスペースを確保しなければなりません。
- 資本金の調達(エンジェル投資家からの資金調達): 他者からの出資または、融資も要件を満たすための手段となります。ただし、以下の点を明確にする必要があります。
- 資金の出所と証明: エンジェル投資家がどのように資金を提供するか(出資契約書など)、その資金の正当性を証明する書類が必要です。
- 事業への関与: エンジェル投資家が経営にどの程度関与するのか、その関係性を示す書類も求められる可能性があります。
- 500万円相当の事業規模: もし資本金が500万円に満たない場合でも、事業計画の内容や規模、雇用予定などから、500万円相当の事業活動を行うと認められれば、要件を満たす可能性があります。詳細な事業計画と、それを裏付ける客観的な資料が重要になります。(例:300万の資本金+日本人1名を雇用)
このケースで必要となる書類(一般的なもの)
- 在留資格変更許可申請書
- パスポート
- 在留カード
- 学歴や日本語能力を証明する資料 ※ある場合
- 会社設立に関する書類
- 定款
- 登記簿謄本(設立後)
- 事業計画書
- 事務所の賃貸契約書など
- 資金に関する書類
- エンジェル投資家との出資契約書
- エンジェル投資家の身分証明書、資金証明書など
- ご自身の預金残高証明書(もしあれば)
- その他、入国管理局が求める書類
重要なアドバイス
- 早めの準備: 卒業前から事業計画の策定、資金調達、事務所探しなどを並行して進めておくことをお勧めします。
- 詳細な事業計画書: 実現可能性が高く、具体的な収益見込みのある事業計画書を作成することが最も重要です。
- 専門家(行政書士など)への相談: 経営・管理ビザの申請は専門的な知識が必要となるため、早めに経験豊富な行政書士に相談し、アドバイスやサポートを受けることを強くお勧めします。
エルドアン様の日本での起業が成功することを心より応援しております。しっかりと準備を進めてください