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日本に帰化したい二重国籍者の方へ

作成者: FESO|May 17, 2025 6:56:34 AM
 

 

 質問内容)

① 相談種別: 帰化
② 申請種別: 普通帰化
③ 状況概要: 申請予定者はドイツ国籍とイギリス合衆国籍の二重国籍を持つ40歳男性、ジョナサンと申します。日本に5年以上在住し、IT企業に勤務しています。
④ 質問: 私は現在、ドイツとイギリスの2つの国籍を持っています。日本への帰化を希望していますが、二重国籍保有者の帰化申請の際に特別な手続きや注意点がありますか?

 

 

 回答)

ジョナサン様、ドイツとイギリスの二重国籍をお持ちで、日本への帰化をご希望とのこと、承知いたしました。二重国籍の方が日本へ帰化申請する際には、通常の申請に加えて、いくつかの特別な手続きと注意点があります。

二重国籍者の帰化申請における手続きと注意点

  • 国籍の正確な申告: 帰化申請書には、現在保有しているドイツとイギリスの両方の国籍を正確に申告する必要があります。
  • 国籍喪失の原則: 日本の国籍法では、帰化を希望する外国人は、原則として日本の国籍を取得する際に、従前の外国籍を喪失することが求められています(国籍法第5条第1項第5号)。したがって、ジョナサン様が日本に帰化する場合、ドイツ国籍とイギリス国籍の両方を放棄する意思を示す必要があります。
  • 国籍喪失手続きの確認: 帰化が許可された場合、ジョナサン様ご自身でドイツとイギリスの国籍離脱の手続きを行う必要があります。それぞれの国の法律によって手続きや必要書類が異なりますので、事前に駐日ドイツ大使館・領事館および駐日英国大使館・領事館に確認しておくことが非常に重要です。
  • 国籍喪失が著しく困難な場合の取り扱い(国籍法第5条第2項): もし、ドイツまたはイギリスの法律によって国籍離脱が認められていない、または著しく困難な手続きが必要な場合は、その事情を詳しく説明する書類を提出することで、法務大臣の許可を得て外国籍を離脱しなくても帰化できる可能性があります。ただし、この例外規定が適用されるかどうかは、個別の状況によって個別に判断されます。まずは両国の大使館・領事館に国籍離脱の手続きについて確認することが重要です。
  • 追加の添付書類: ドイツとイギリスの両方の国籍を証明する書類(それぞれの国のパスポートのコピー、国籍証明書など)の提出が求められることがあります。
  • 審査期間: 二つの外国籍をお持ちの場合、法務局での審査に通常よりも時間を要する可能性があります。

 


帰化許可後の国籍放棄について

原則として、日本国籍を取得した場合、それまで有していたドイツ国籍とイギリス国籍は放棄しなければなりません。帰化許可後、速やかにそれぞれの国の法律に基づいた国籍離脱の手続きを行う必要があります。

推奨される対応

  • 法務局への事前相談: 帰化申請の前に、管轄の法務局の国籍課に必ず相談し、ご自身の国籍の状況を詳しく説明し、必要な手続きや書類について確認してください。
  • ドイツ・イギリス両国への確認: ドイツおよびイギリスのそれぞれの国籍離脱の手続きや必要書類について、事前にそれぞれの国の在日大使館・領事館に問い合わせてください。
  • 国籍喪失が困難な場合はその旨を申告: もしご自身の意思だけでは国籍離脱が難しい事情がある場合は、その詳細を法務局に正直に申告し、指示を仰いでください。
  • 書類の正確な準備: 法務局から指示された書類を、漏れなく正確に準備してください。

二重国籍をお持ちの方の帰化申請は、手続きが複雑になる可能性があります。法務局および関係各国との連携を密に行い、慎重に手続きを進めてください。