質問内容)
① 相談種別:帰化
② 申請種別:普通帰化
③ 状況概要:ベトナム人のハイと申します。2017年に来日し、「技術・人文知識・国際業務」を経て、現在は「経営管理」(在留期間3年)でベトナム食材店と中古機械輸出の2社を経営しています。私、妻、15歳未満の子ども2人の家族構成で、妻と子どもは「家族滞在」です。
④ 質問:今回、私と家族全員で帰化申請をしたいと考えています。私自身は日本語能力に問題ありませんが、妻は日本語が全くできません。家族で同時申請する場合、「簡易帰化」の要件が適用になったとしても、日本語能力の要件は妻にも求められるのでしょうか?
行政書士からの回答とアドバイス
ハイ様、ご相談ありがとうございます。日本での事業成功、そしてご家族皆さまでの帰化という大きな目標、心より応援いたします。
ご質問の「家族同時申請における日本語能力要件」は、法務局の審査で多くの方が疑問に思われる重要なポイントです。
結論から申し上げますと、配偶者の方の日本語能力は、帰化申請において必須の要件となります。
以下に、その理由と、簡易帰化の場合でも求められる日本語能力について解説し、今後の対策をご提案します。
1. 帰化申請の「日本語能力」が意味するもの
帰化申請における日本語能力(能力要件)は、「日本国民として日常生活に支障がない程度」の能力が求められ、目安として小学校3年生程度の読み書きができるレベルとされています。
この能力が求められる背景には、「日本社会の一員として、自立した生活を送る意思と能力があるか」という点を入管ではなく、法務局が審査するという意図があります。
2. 配偶者が日本語能力を求められる理由
ハイ様が主たる申請者であっても、配偶者である奥様にも日本語能力が求められるのは、以下の理由からです。
- 日本社会への適応: 夫婦がともに日本国籍を取得するということは、夫婦ともに日本の社会生活に溶け込み、日本の法令や生活習慣を理解し、コミュニケーションを取って生活することが期待されます。
- 個別審査の原則: 帰化申請は、世帯一括で審査されるわけではなく、申請者一人ひとりについて独立した要件審査が行われます。そのため、奥様ご自身が日本語の要件を満たす必要があります。
- 簡易帰化の場合でも必須: ハイ様が経営管理ビザで日本に住み、お子様もいるため、在留要件(居住要件など)が緩和される「簡易帰化」の要件が適用される可能性は高いです。しかし、「能力要件(日本語能力)」や「素行要件(納税・法令遵守)」については、簡易帰化であっても省略・緩和されることはありません。
【注意】 15歳未満のお子様については、判断能力がないとみなされるため、日本語能力の要件は求められません。親(ハイ様または奥様)が要件を満たせば問題ありません。
3. 今後の具体的な対策
奥様が日本語を全く話せない現状では、現時点での家族同時申請は、奥様が要件不備により不許可となるリスクが非常に高いです。
申請を成功させるために、以下の対策を強くお勧めします。
- 集中学習を開始する: 今すぐに、奥様が集中して日本語の学習を開始し、小学校低学年レベルの簡単な日本語の読み書きと、日常会話ができる状態を目指してください。
- 学習の記録を残す: 日本語学校や地域の日本語教室に通い、出席記録や学習の証拠(ノート、教材など)を保管してください。法務局との面接では、奥様が自力で簡単な日本語を読み書きできるか、そして学習の努力をしているかがチェックされます。
- 申請時期の調整: 奥様の日本語能力が面接で確認できるレベルに達するまで、申請時期を延期することも検討すべきです。焦って申請し、奥様が不許可になると、その後の再申請が難しくなる可能性があります。
- 個別申請の検討: どうしても奥様の学習が間に合わない場合は、まずハイ様と、要件を満たしているお子様のみで帰化申請を行い、奥様は要件を整えた後、単独で申請するという二段階の方法も検討できます。
4. 行政書士からのメッセージ
ハイ様が日本で事業を成功させ、安定した生活基盤を築いていることは、帰化申請において非常に有利な要素です。
しかし、奥様の日本語能力は、「不許可」の決定的な理由となり得ます。まずはご家族で、帰化に向けた日本語学習の計画を立て、着実に進めていくことが成功への近道となります。
※ 本記事は記事公開時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は必ず法務省の公式ウェブサイト等でご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のケースに対する法的なアドバイスではありません。具体的な手続きや判断については、必ず専門家にご相談ください。

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