
質問内容)
①相談種別:帰化申請
②申請種別:新規申請
③状況概要: アメリカ国籍の45歳の女性、アリソンです。日本人の配偶者として5年間日本に住んでおり、先日帰化申請をしました。しかし、申請中に日本国籍の息子(16歳)が警察沙汰の事故を起こしてしまいました。事故はすでに謝罪と慰謝料を支払い解決済みで、息子の過失が認められています。警察には私が帰化申請中であることは伝えました。
④質問: 帰化申請中に日本国籍の息子が起こした警察沙汰の事故は、私の帰化審査の対象になりますか?
回答)
アリソンさん、帰化申請中という大切な時期にご子息の事故というご心配な出来事があり、心中お察しいたします。
ご質問の件ですが、はい、日本国籍のお子様が起こされた警察沙汰の事故は、アリソンさんの帰化審査に影響を与える可能性があります。
帰化申請の審査においては、申請者本人だけでなく、その家族の状況も考慮されることがあります。これは、帰化が許可された場合に、申請者が日本社会の一員として円満な生活を送ることができるか、また、その家族を含めて日本社会に悪影響を及ぼす可能性がないかなどが総合的に判断されるためです。
具体的に、今回のケースで考慮される可能性のある点は以下の通りです。
- 申請者本人の素行要件: 帰化の要件の一つに「素行が善良であること」が挙げられます。直接的にアリソンさんご本人の行為ではありませんが、同居している未成年の実子による重大な行為は、アリソンさんの家庭環境や監督責任という観点から、審査の対象となる可能性があります。
- 家族状況の審査: 法務局は、申請者の家族構成や家族関係、生活状況なども審査します。お子様の起こした事故の内容やその後の対応によっては、アリソンさんの家庭環境が適切であるかという点で疑念を持たれる可能性があります。
- 社会への影響: 帰化が許可された後、アリソンさんやその家族が日本社会に円滑に溶け込み、貢献していくことができるかが判断されます。お子様の起こした事故の内容や社会的な影響によっては、この点が懸念される可能性があります。
- 世帯として問題を抱えているか否か:金銭や対人の問題を抱えている場合には、不許可になります。問題や争いを解決し収束させる必要があります。
ただし、考慮される度合いは事故の内容やその後の対応によって異なります。
今回、事故が既に謝罪と慰謝料の支払いによって解決済みであり、息子さんの過失が認められているという点は、一定の誠意ある対応がなされたと評価される可能性があります。また、アリソンさんが警察に帰化申請中であることを伝えたことも、状況を隠蔽しようとしていないという点で、必ずしもマイナスに働くとは限りません。
今後アリソンさんが取るべき対応としては、以下の点が重要です。
- 法務局への正直な報告: 帰化申請を担当している法務局の審査官に、今回の事故の経緯と現状を正直かつ詳細に報告してください。既に警察に伝えた旨も伝え、事故解決に向けて誠意をもって対応したことを説明することが重要です。
- 事故に関する資料の提出: 事故に関する警察の記録、示談書、慰謝料の支払い証明書など、関連する資料を求められた場合は速やかに提出してください。
- 反省と再発防止策の説明: お子様が今回の事故を深く反省していること、そして今後同様の事故を起こさないための対策をどのように講じているかなどを、アリソンさんを通じて法務局に伝えることが重要です。
- アリソンさん自身の安定した生活状況を示す: アリソンご自身が、日本人の配偶者として安定した生活を送っており、今後も日本社会に貢献していく意思があることを改めて示すことが重要です。
- 必要に応じて専門家(弁護士、行政書士)に相談: 今回の件について不安が大きい場合や、法務局への報告の仕方などに迷う場合は、専門家である弁護士や行政書士に相談することをお勧めします。適切なアドバイスを受けることで、よりスムーズな審査につながる可能性があります。
今回の件は、アリソンさんの帰化審査に影響を与える可能性はありますが、事故の内容やその後の対応によっては、必ずしも不許可となるわけではありません。重要なのは、法務局に対して誠実に対応し、ご家族を含めて日本社会の一員として生活していく意思を示すことです。
ご心配だとは思いますが、冷静に対応していくことが大切です。
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