
質問内容)
①相談種別:申請時の入管への提出書類について
②申請種別:留学から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請
③状況概要: はじめまして、こんにちは。私は中国出身の張です。日本の専門学校で自動車整備を学んでいる留学生で、来年3月に卒業予定です。この度、ずっとアルバイトでお世話になっていた自動車会社に、卒業後、正社員として就職が内定しました。それで、留学ビザから「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を考えています。
社長から、うちの会社は「カテゴリー2」だから、入管のウェブサイトを見ると提出書類がすごく少ないと言われました。でも、本当にそれで大丈夫なのかと疑問に思っています。私が就職する自動車整備の仕事は、最近ビザの許可が難しいって話も聞きます。
④質問: カテゴリー2の場合、入管のウェブサイトに載っている書類だけで申請して問題ないでしょうか? 記載がない書類は、何も提出しなくても大丈夫なんでしょうか?
回答)
張さん、この度はご内定おめでとうございます!専門学校での学びを活かして、日本で就職できるのは素晴らしいことですね。留学ビザから「技術・人文知識・国際業務」ビザへの変更申請について、カテゴリー2の提出書類に関するご質問、よくいただきますので、詳しく解説させていただきます。
結論から言うと、原則として、入管のウェブサイトに記載されているカテゴリー別の提出書類リストに従って提出すれば問題ありません。
カテゴリー2の企業とは、入管が定めている基準(前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上、または、カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関という条件を満たしており、一定の信頼性があると認められています。そのため、提出書類が簡素化されています。これは、入管が審査の効率化を図っているためであり、カテゴリー1や2の企業からの申請は、過去の提出実績や企業の信頼度に基づいて、書類審査が比較的スムーズに進む傾向があります。
当事務所でも、カテゴリー1や2の案件では、基本的に入管のHPに記載されている書類のみを提出しています。しかし、審査官が必要と判断した場合には、後から追加書類の提出を求められることもあります。
記載のない書類(例:アルバイト中の納税証明書)は提出すべきか?
この点については、ケースバイケースで判断が分かれるところですが、私のアドバイスとしては、「許可に有利に働くと考えられるのであれば、補足資料として提出すること」を推奨します。
特に、今回の張さんのケースのように、自動車整備という「技人国」ビザとしてはやや判断が難しいとされる職種(専門性がどこまで認められるか)の場合や、申請が混み合っている時期、あるいは過去に不許可歴などがない、クリアな状況の申請者であっても、プラスになる情報であれば積極的に提供すべきだと考えます。
内定先の会社でアルバイトをしており、その際にきちんと納税していることを証明できる納税証明書は、「日本での法令遵守意識の高さ」や「真面目に働いている姿勢」を示す非常に有効な補足資料となります。これは、入管が永住や帰化の審査で重視する「素行の善良さ」にも通じる部分があり、在留資格変更においても好印象を与える可能性があります。
ただし、やみくもに大量の書類を提出するのは避けるべきです。提出する書類は、「なぜこの書類を提出するのか」「この書類で何を証明したいのか」を明確にして、理由書などで簡潔に説明を添えることが重要です。
例えば、理由書の中で「内定先の会社でアルバイトとして勤務しており、その際も真摯に業務に取り組み、納税義務もきちんと果たしておりました。これは、日本での定着意思と法令遵守の姿勢を示すものです」といった形で言及し、補足資料として納税証明書を添付するなど、関連性を明確にすると良いでしょう。また、当然に資格外活動許可の範囲内である週28h以内で就労していた点も必ずチェックしてください。
補足:自動車整備職の「技人国」ビザについて
おっしゃる通り、自動車整備士の「技人国」ビザは、専門性がどの程度認められるかという点で、以前は判断が分かれることがありました。しかし、近年では、自動車の高度化に伴い、専門的な知識や技術がより重視される傾向にあります。
張さんが専門学校で工業専門課程を修了し「専門士」の資格を取得見込みであること、そして内定先の自動車会社が張さんの能力を評価していることは、非常に有利な点です。卒業見込みの専門課程の内容が、内定先の業務と密接に関連していることを、カリキュラムや履修内容を証明する書類で示すことも重要です。
まとめ
- カテゴリー2の基本書類はHP記載のもので大丈夫です。
- しかし、許可に有利な補足資料(納税証明書など)は、適切な理由書を添えて提出することをお勧めします。 特に、今回は難しいと言われる職種なので、プラスになる要素は積極的にアピールしましょう。
- ご自身の学歴、職務内容、そして日本の会社への貢献意欲を明確に伝えることが、審査通過の鍵となります。
ご不安な点があれば、申請前に一度、入管の相談窓口を利用するか、私たち行政書士のような専門家にご相談いただくのが最も確実です。張さんのビザ申請がスムーズに進むよう、応援しています!