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就労ビザ更新時、「希望する在留期間」は5年を選んでも大丈夫?

作成者: FESO|Aug 8, 2025 6:37:33 AM

質問内容)

①相談種別:ビザ

②申請種別:更新

③状況概要: インドネシア人のケニーです。私は、現在「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っており、人材紹介エージェントとして働いています。在留期間は1年です。来月、初めてのビザ更新を控えています。日本での生活も気に入っているので、長く日本に住み続けたいと希望しています。

④質問: 就労ビザ更新申請時、「希望する在留期間」の選択について教えてください。もし5年を希望した場合でも、審査の結果次第で1年や3年、またはその他の期間となることはあるのでしょうか?また、もし3年以上を希望する場合、「希望する在留期間」としてちょうど3年を選択すべきか、それとも3年に下げられることも想定しながら5年を選択すべきか(5年となることも少し期待しつつ)、どちらがよいのでしょうか?

 

 

 

 回答)

ケニー様、就労ビザ更新に関するご相談、ありがとうございます。在留期間の希望選択は、多くの方が悩まれるポイントですね。詳しく解説させていただきます。

1. 希望する在留期間と実際の許可期間の関係について

ご質問の通り、更新申請時に希望する在留期間(例:5年)を記載しても、必ずしもその期間が許可されるとは限りません。 審査の結果次第で、1年や3年、またはその他の期間となることは十分にあり得ます。

「技術・人文知識・国際業務」ビザの在留期間は、法務大臣が個々の申請者の状況を総合的に判断して決定します。主に以下の要素が考慮されます。

  • 所属機関(会社)の安定性・継続性: 会社の規模、業績、外国人雇用実績、コンプライアンス状況(カテゴリー分類など)が審査されます。安定した大企業ほど長い期間が許可されやすい傾向にあります。
  • 申請者の在留状況: 過去の在留期間中の法令遵守状況(交通違反、税金・社会保険の納付状況など)、勤務状況の安定性、活動内容の継続性などが評価されます。
  • 活動内容の専門性・継続性: 従事する業務が、在留資格の要件に合致し、今後も継続して専門的な活動を行う見込みがあるかどうかが判断されます。
  • 過去の在留期間: これまでの在留期間が短い場合(例:初めての更新)は、比較的短い期間(1年など)から許可されることが多いです。

2. 「希望する在留期間」の賢い選択方法

「希望する在留期間」をどう記載するかは、申請者の状況によって戦略が変わります。

(1) 5年を希望すべきケース

ケニー様と会社が、以下の点で非常に安定しており、自信を持って申請できる場合は、5年を希望することをお勧めします。

  • 会社がカテゴリー1または2に該当する: 大企業や上場企業など、入管からの信頼性が高い企業の場合。
  • ケニー様の在留状況が非常に良好: これまでの在留期間中に、交通違反、税金・社会保険の未納、転職による空白期間などが一切なく、完璧なコンプライアンス実績がある場合。
  • 現在の会社での勤務が安定している: 転職後間もない、試用期間中といった不安定な要素がない場合。
  • 業務内容が明確に専門的である: 誰が見ても「技術・人文知識・国際業務」の専門性に合致すると判断される業務に従事している場合。

この場合、5年を希望することで、「日本に長期的に定着し、貢献したい」という強い意思を示すことができます。もし審査の結果、5年が難しいと判断されても、入管は3年や1年といった期間を許可することがほとんどであり、5年を希望したこと自体が不許可の原因になることは通常ありません。

(2) 3年を希望すべきケース

以下のような、やや懸念事項がある場合は、あえて3年を希望することも一つの戦略です。

  • 会社がカテゴリー3または4に該当する: 設立間もない企業や、外国人雇用実績が少ない企業の場合。
  • ケニー様の在留状況に軽微な懸念がある: 過去に軽微な交通違反がある、転職後間もない、あるいは一時的に社会保険料の納付が遅れたことがある、といった場合。
  • 現在の会社での勤務期間が短い: 転職後、まだ1年未満など、勤務実績が十分にない場合。
  • 業務内容の専門性にやや説明が必要な場合: 単純作業と専門業務が混在しており、専門性をアピールするための理由書が特に重要な場合。

この場合、3年を希望することで、「現実的な期間を理解している」という姿勢を示し、入管に過度な負担をかけないというメッセージを送ることができます。これにより、よりスムーズな審査を期待し、確実に3年間の許可を得ることを目指す、という考え方です。しかしながら、希望する在留期間ですから飽くまでも最長のものといったことであれば「5年」を希望するといったことが一番良い選択と言えるのではないでしょうか。

 

まとめとケニー様へのアドバイス

ケニー様の場合、初めての更新であり、現在の会社での勤務状況や、過去の在留状況によって最適な選択が変わります。

  • ケニー様と会社の状況が非常に安定しており、自信がある場合は、迷わず5年を希望しましょう。 日本での長期的な貢献意思を示すことができます。
  • もし、会社やケニー様の在留状況に軽微な懸念事項がある場合は、3年を希望することも検討の余地があります。 この場合、理由書で懸念事項を丁寧に説明し、確実に3年間の許可を得ることを目指しましょう。

いずれの選択をするにしても、最も重要なのは、提出書類を完璧に揃え、ケニー様が日本で安定して専門的な活動を継続できることを、客観的な証拠と説得力のある理由書で示すことです。特に、初めての更新では、今後の在留期間を占う重要な審査となります。

ご不安な点があれば、私たち行政書士のような入管手続きの専門家にご相談ください。ケニー様の状況を詳細にヒアリングし、最も有利な申請戦略を共に立てさせていただきます。