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特定技能1号から2号への変更申請、職長経験10ヶ月でも実務経験申告書で申請可能?

作成者: FESO|Sep 18, 2025 3:27:02 AM

質問内容)

①相談種別:特定技能

②申請種別:変更(1号→2号)

③状況概要: 以下に該当する特定技能1号の外国人社員について、2号への変更申請の時期と方法についてご相談したいです。

 ・特定技能2号の評価試験に合格した 

・職長としての経験は10ヶ月とまだ短い 

・CCUS(建設キャリアアップシステム)の蓄積がないため実務経験申告書のみ

④質問内容: 実務経験に関しては、職種ごとに異なる職長・班長経験が必要と理解していますが、その外国人社員の職種に応じた職長・班長経験を満たした上で、「実務経験申告書」および「経歴証明書」により実務経験を証明することになる、という理解で適切でしょうか?

 

行政書士からの回答)

ご相談ありがとうございます。特定技能1号から2号への変更申請、特に実務経験の証明方法についてですね。2号への移行は、外国人社員の方の日本でのキャリアにとって非常に重要ですので、詳しく解説させていただきます。

1. 実務経験の証明方法に関する理解は適切か?

はい、ご質問にある理解は適切です。

特定技能2号への変更申請では、「熟練した技能」を有していることが要件となります。この「熟練した技能」を客観的に証明する方法として、以下のいずれかが求められます。

  • 特定技能2号の評価試験に合格すること
  • 3年以上の実務経験を証明すること

この2つの要件のうち、ご相談の外国人社員の方はすでに評価試験に合格しているとのことですので、この要件はクリアしています。

次に、職長としての実務経験についてですが、これは建設分野特有の要件であり、特定技能2号への移行では、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」による能力評価基準が重要な証明手段となります。

CCUSの蓄積がない場合でも、職種に応じた職長・班長経験を満たした上で、「実務経験申告書」や「経歴証明書」などの書面で実務経験を証明することは可能です。

2. 職長経験10ヶ月でも申請可能か?

ここが重要なポイントとなります。特定技能2号の評価試験に合格し、職長としての経験が10ヶ月である場合、職種によっては申請できる可能性があります。

  • 職長・班長経験の期間:
    • CCUSによる能力評価基準が設定されている職種: 職種に応じて0.5年(108日)以上の職長・班長経験が必要となります。
    • CCUSによる能力評価基準が設定されていない職種: 3年(645日)以上の実務経験が必要となります。

ご相談の外国人社員の方は、職長経験が10ヶ月とのことですので、職種がCCUSによる能力評価基準の設定がある職種(例:とび、型枠施工など)であれば、職長・班長経験の要件を満たしていることになります。 ただし、実務経験申告書に記載する日数が108日以上であることを確認する必要があります。

3. CCUSがない場合の「実務経験申告書」の注意点

CCUSに登録がない場合、「実務経験申告書」および「経歴証明書」を提出することになります。この書類が、入国管理局が「熟練した技能」を判断する唯一の根拠となるため、以下の点に細心の注意を払う必要があります。

  • 記載内容の正確性: 従事した業務内容、職務期間、担当した現場などを正確に記載してください。
  • 客観的な証明: 実務経験申告書だけでなく、それを裏付ける客観的な資料(工事の請負契約書、工事写真、工程表など)を添付することが望ましいです。特に、職長としての業務内容が具体的にわかる資料は重要です。
  • 雇用主の証明: 「経歴証明書」には、雇用主である会社からの証明が必要です。

4. まとめとアドバイス

ご相談の外国人社員の方が特定技能2号の評価試験に合格し、職長経験が10ヶ月である場合、職種によってはCCUSの蓄積がなくても、実務経験申告書等により特定技能2号への変更申請を行うことは可能です。

ご依頼者様にアドバイスできる対応としては、以下の通りです。

  • 職種の確認: まず、該当の外国人社員の方の職種が、CCUSによる能力評価基準の設定がある職種であるかを確認してください。
  • 実務経験申告書の準備: 職長としての業務内容が具体的にわかるように、実務経験申告書を詳細に作成しましょう。
  • 補足資料の収集: 職長として関わった工事の契約書、写真、工程表など、客観的に実務経験を証明できる資料をできる限り多く集めてください。
  • 申請タイミング: 在留期限に余裕があるとのことですので、これらの書類を丁寧に準備し、慎重に申請を進めることをお勧めします。

この変更申請は、外国人社員の方の日本でのキャリアにとって大きな節目となります。ご不安な場合は、私たち行政書士のような入管手続きの専門家にご相談いただき、適切な書類作成と申請戦略を共に検討していくことをお勧めします。