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66歳で転職!ビザ期間が残っていても就労資格証明書は必要?

  • 10月 10 2025
  • FESO

質問内容)

①相談種別:ビザ

②申請種別:就労資格証明書

③状況概要: 私は米国人のリチャード(66歳)です。現在「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本に在留しています。 今年の9月に勤務先のレストランが廃業したため、英会話教室(個人事業主)に講師として転職する予定です。 もともと「技人国」ビザで入国し、以前も英会話教室の講師をしていましたが、その教室が廃業したため、数年前にレストランに就職しました。 レストラン在職中の今年5月に在留資格を更新したばかりで、2028年5月まで3年間の在留期間が残っています。 転職先の英会話教室はすぐにでも採用したいと言ってくれています。

④質問: 転職先の英会話教室はすぐにでも採用したいという事なのですが、就労資格証明書交付申請を行い、その結果を待ってから採用すべきでしょうか?

 

行政書士からの回答)

リチャードさん、ご相談いただきありがとうございます。勤務先の廃業により、お忙しい中での転職活動、お疲れ様です。在留期間が残っているにもかかわらず、転職の際に就労資格証明書が必要かどうかというご質問は、多くの外国籍の方が抱える疑問です。

 

1. 在留資格証明書交付申請の必要性について

結論から申し上げますと、原則として、就労資格証明書交付申請の結果を待たずに就労を開始しても問題ありません。しかし、申請を行い、結果を待ってから採用することが、リスクを回避するための最も確実な方法です。

(1) 法的な義務とリスク

  • 義務の有無: 「技術・人文知識・国際業務」ビザを持つ方が転職した場合、就労資格証明書の交付を受ける義務はありません。法的な義務として必要なのは、転職後14日以内に地方出入国在留管理局へ「所属機関に関する届出」を行うことです。
  • リスク: 在留期間が残っているとはいえ、前職(レストラン業務)と転職先(英会話講師)では、業務内容が大きく異なります
    • 以前の英会話講師の業務は「技人国」ビザの活動範囲内と考えられますが、レストラン業務は調理など専門性に欠ける活動として、本来のビザの範囲外である可能性もあります。
    • 今回の転職先の業務が、リチャードさんの学歴や職歴に基づいた「専門性・技術」に合致しているか、入管が新たに審査する必要が生じます。
    • ビザの範囲外の活動と入管が判断した場合、次回の更新時に「不許可」となるリスクがあります。

(2) 就労資格証明書が果たす役割

就労資格証明書は、「この活動内容で就労しても問題ありません」という入管からの事前確認のような役割を果たします。

  • 取得するメリット: 転職先の英会話教室の業務が、リチャードさんの現在のビザ(技人国)の活動範囲内であることを入管が保証してくれるため、将来のビザ更新(2028年5月)が非常にスムーズになります。
  • 取得するデメリット: 申請から結果が出るまで、通常1~3ヶ月程度の審査期間がかかるため、採用が遅れます。

 

2. 66歳という年齢と転職が審査に与える影響

  • 年齢の影響: 「技術・人文知識・国際業務」ビザは、年齢制限はありません。66歳というご年齢自体は問題になりません。
  • 専門性の証明: リチャードさんは、過去に英会話教室の講師をされていた実績があるため、その職務経験は有利に働きます。
  • 雇用主の信頼性: 転職先の英会話教室が個人事業主とのことですので、その事業の安定性・継続性や、リチャードさんへの給与支払能力が審査されることになります。

 

3. 最適な対応策とアドバイス

リチャードさんの状況(在留期間が長く残っているが、業務内容が大きく変わる)を踏まえると、以下の対応をお勧めします。

  1. 1.就労資格証明書を申請する:
    • 転職後すぐに「就労資格証明書交付申請」を行い、入管の判断を仰ぐことが最善です。これにより、2028年5月の更新時の不許可リスクをほぼ回避できます。
    • 申請はリチャードさんではなく、雇用主である英会話教室が行うことになりますので、すぐに採用したいという教室側と協力して手続きを進めてください。
  2. 2.結果を待ってから就労を開始する:
    • 教室がすぐにでも採用したいという意向は理解できますが、万が一「不交付」となった場合、その教室での就労は違法となります。 1~3ヶ月待つことで、リチャードさんの日本での長期滞在の安定性が確保されます。
  3. 3.「所属機関に関する届出」の提出:
    • 転職先で就労を開始したら(または契約を締結したら)、必ず14日以内に「所属機関に関する届出」を入管へオンラインまたは書面で提出してください。

 

まとめとリチャードさんへのアドバイス

リチャードさん、すぐに働きたいお気持ちはわかりますが、安心・確実なのは、就労資格証明書の交付を受けてから採用してもらうことです。 これにより、今後3年間、安心して日本で就労を続けることができます。

英会話教室の事業主様にも、就労資格証明書がリチャードさんの長期的な安定在留に不可欠であることを丁寧に説明し、手続きへの協力をお願いしましょう。

ご不安な場合は、私たち行政書士のような専門家にご相談ください。リチャードさんの日本でのキャリアがスムーズに進むよう、全力でサポートさせていただきます。

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