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特定技能(ベトナム)の再雇用。送り出し機関を通さず、推薦者表なしで復職できますか?

  • 12月 16 2025
  • FESO

質問内容)

① 相談種別: ビザ

② 申請種別: 在留資格認定証明書交付申請(特定技能)

③ 状況概要: 会社の担当の加藤と申します。弊社で「特定技能」として働いていたベトナム人女性が、出産のため一度帰国しました。今回、改めて認定申請を行い、弊社に復職してもらう予定です。以前と同じ職場に戻る形となるため、手続きを簡略化したいと考えています。

④ 質問:

以前働いていた職場に再雇用として戻る場合、ベトナムの「送り出し機関」を通さずに手続きを進めることは可能でしょうか。また、前回は「特定活動」からの切り替えだったため「推薦者表(推薦状)」は作成していないとのことですが、同じ雇用先に戻る場合に免除されるなどの特例はありますか?

 

行政書士からの回答とアドバイス

加藤様、ご相談ありがとうございます。元従業員の方が復職を希望されているとのこと、会社にとっても大変喜ばしいことですね。

結論から申し上げますと、ベトナム国籍の方が特定技能で就労する場合、同じ雇用先への再雇用であっても、原則としてベトナム当局が発行する「推薦者表(推薦状)」の取得は必須であり、免除される特例はありません。

以下に、ベトナム特有の手続きのルールと注意点を解説します。

 

1. ベトナムの「推薦者表」はなぜ必要なのか

日本とベトナムの二国間協定により、ベトナム人が特定技能で働くためには、ベトナム海外労働管理局(DOLAB)が発行する「特定技能外国人に係る推薦者表」を入管に提出しなければなりません。

  • 再雇用でも必要な理由: 入管の審査では、申請者が「適正な手続きを経て送り出されたか」を確認します。たとえ以前と同じ会社に戻る場合でも、「新しい雇用契約」に基づく認定申請となるため、改めて推薦者表を取得し、ベトナム政府の承認を得る必要があります。
  • 送り出し機関の介在: ベトナム国内にいる方を呼び出す(認定申請)場合、推薦者表の申請手続きは、原則として現地の認定送り出し機関を通じて行うことになります。

 

2. 「特定活動」から変更した際との違い

前回、推薦者表を作成していないのは、日本国内で「特定活動(または技能実習)」から切り替えた際の、当時の運用や特定の移行措置によるものと推測されます。

  • 認定申請はルールが厳格: 今回はベトナムからの「呼び寄せ(認定)」となります。日本国内での変更申請とは異なり、「推薦者表がない=ベトナム政府の許可がない」とみなされ、日本の入管で受理されない、あるいは不許可となるリスクが非常に高いです。

 

3. 送り出し機関を通さずに手続きはできるか?

ベトナムの法律上、個人が直接DOLABに推薦者表を申請することは極めて困難です。

  • 現実的な対応: 加藤様がおっしゃる「送り出し機関を通さない」というのは、日本の受入れ企業が直接本人とやり取りしたいという意味かと思いますが、「推薦者表の発行手続き」という事務作業のみを現地の送り出し機関に依頼するのが一般的です。
  • コストの確認: 再雇用であるため、そうではないケースと比べ高額な紹介料などは発生しないと思われますが、事務手数料としての実費や手続き費用については、送り出し機関との交渉が必要です。

 

4. 行政書士からのアドバイス

復職をスムーズに進めるためには、以下のステップを推奨します。

  1. 1.現地の送り出し機関の選定: 以前の会社が提携していた機関、あるいは新規の機関を通じて、推薦者表の取得が可能か確認してください。
  2. 2.本人のパスポート等の確認: 本人がベトナムで手続きを進められるよう、有効なパスポートや、以前の特定技能の評価調書(あれば)などを準備してもらってください。
  3. 3.認定申請の準備: 推薦者表が手元に届く時期を逆算して、日本の入管へ提出する書類(雇用契約書等)を整えます。

ベトナムの手続きは他国に比べて非常に複雑です。特に再雇用のケースで「推薦者表」を失念すると大幅なタイムロスになるため、早めに専門家(行政書士)や登録支援機関へ相談することをお勧めします。

 

※ 本記事は記事公開時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は必ず出入国在留管理庁の公式ウェブサイト等でご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のケースに対する法的なアドバイスではありません。具体的な手続きや判断については、必ず専門家にご相談ください。

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