就労ビザFAQ

就労ビザ

「技人国」ビザの社員を解雇予定。人事が知っておくべき手続き

  • 3月 9 2026
  • FESO

質問内容)

① 相談種別: 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)

② 申請種別: 在留資格の効力・取消しについて

③ 状況概要: IT企業で人事を担当している中村と申します。現在、弊社で「技人国」ビザ(残り期限1年)を保有して働いている外国人社員を、就業規則違反により解雇することを予定しています。

④ 質問: 本人にはまだ解雇を伝えていない段階ですが、解雇された後の彼の在留資格はどうなるのでしょうか?会社を辞めた後も、残りの期限(1年)までは日本にいられるのでしょうか。初めてのケースなので、実務上の流れを教えてください。

 

行政書士からの回答)

中村様、ご相談ありがとうございます。外国人社員の解雇は、日本人以上に在留資格(ビザ)への影響が大きく、慎重な実務対応が求められます。

結論から申し上げますと、解雇されたからといって即座にビザが失効するわけではありませんが、原則として「3ヶ月以上」今のビザの活動(就労)を行わない状態が続くと、入管によってビザが取り消される(取消事由)対象になります。

 

1. 解雇後のビザの扱いはどうなる?

以下の3つのポイントが重要です。

  • 残りの期限(1年)の扱い: 在留カードに書かれた期限が1年残っていても、解雇された瞬間に「技人国」としての活動(その会社での仕事)は止まります。入管法では、正当な理由なく3ヶ月以上そのビザの活動を行っていない場合、入管は「在留資格取消手続」を始めることができると定められています。
  • 転職活動の猶予: ただし、解雇された後に本人が「積極的に次の就職先を探している(転職活動中)」場合は、3ヶ月を過ぎても「正当な理由」があるとみなされ、すぐに取り消されないケースが一般的です。
  • 在留資格の該当性のないアルバイト就労の禁止: 会社を辞めた後は、収入が途絶えますが、次の仕事が見つかるまでアルバイトと称して工場勤務や建設作業員、サービス業接客など単純労働とされる就労は禁止されています。一時的に現在持つ『技人国』の在留資格で行うことが出来る仕事に就くことは禁止されておりませんが、将来の在留資格変更や更新を見据えた場合、一日も早く別の就職先を探しフルタイム就労し、社会保険加入することが事が得策といえるでしょう。

 

2. 会社(人事)が行うべき法的義務

解雇を行った際、会社には入管法上および労働法上の義務が発生します。

  1. 1.所属機関に関する届出(14日以内): 会社は入管に対し、その社員との「契約が終了したこと」を届け出る必要があります。これは義務です。
  2. 2.離職票などの発行: ハローワークへの雇用保険喪失手続きも必要です。外国人も日本人と同様に、要件を満たせば失業保険を受給できます。
  3. 3.解雇予告手当の支払い:場合によっては、解雇予告手当の支払いが必要になるケースがあります。

 

3. 中村様への実務上のアドバイス

解雇を本人に伝える際、トラブルを避けるために以下の点に配慮することをお勧めします。

  • 「ビザが即座に無くなるわけではない」と伝える: 「クビになったら明日から不法滞在だ」と誤解してパニックになるのを防ぐため、転職活動をする猶予があることを正しく伝えてください。
  • 転職活動をする場合のビザ: もし本人が日本に残って再就職を目指すなら、今の「技人国」のまま転職活動が可能です。
  • 期限が迫っている場合は、ハローワークのカードなどを持って該当する「特定活動」への変更を検討するよう助言するのが親切です。
      ・優秀な海外大学等を卒業した者が起業活動・就職活動を行う場合(J-Find)
      ・やむを得ない事情により活動継続が困難な場合(「特定活動」(就労継続支援))
      ・本邦の大学等を卒業した留学生が起業活動を行う場合
      ・特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)
  • 帰国の意思確認: 本人が帰国を希望する場合は、航空券の手配など解雇の条件(パッケージ)に含めて話し合うケースも多いです。

 

4. 行政書士からのメッセージ

中村様、初めての対応でご不安かと思いますが、解雇手続き自体は労働法に則って進め、ビザの手続きは入管法に則って淡々と進めるのが基本です。

特に注意したいのは、解雇後に本人が不法滞在状態になるのを恐れて失踪したり、不適切なバイトをしたりすることです。人事として「入管への届出(14日以内)」を確実に案内し、適正なプロセスを辿ってもらうよう促してください。

 

※ 本記事は2026年3月時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は出入国在留管理庁のウェブサイト等でご確認ください。



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