質問内容)
① 相談種別: 経営管理ビザ・就労ビザ
② 申請種別: 在留期間更新許可申請 または 在留資格変更許可申請
③ 状況概要: アメリカ国籍のベッカです。日本で法人を設立し、現在は「経営・管理」ビザで社長を務めています。おかげさまで事業は順調で、まもなく在留期限の更新時期を迎えます。
④ 相談内容: 現在の「経営・管理」ビザをそのまま更新するか、あるいは「高度専門職1号(ハ)」へ切り替えるか、どちらが私にとってメリットが大きいでしょうか?
自分なりに調べたところ、2025年10月に施行された「経営・管理」の新基準(資本金要件の柔軟化や居住実態の判断など)もクリアしていますし、高度専門職のポイント計算でも合格ライン(70点以上)を十分に超えています。
これまでは自分で申請してきましたが、今回はビジネスも忙しくなってきたため、行政書士の先生に依頼して確実かつ有利に進めたいと考えています。アドバイスをお願いします。
行政書士からの回答)
ベッカ様、ご相談ありがとうございます。日本での起業・経営、素晴らしい成果を出されているようですね。アメリカからの起業家として、次のステップをどう描くかはビジネスの安定性にも関わる非常に重要な戦略となります。
結論から申し上げますと、ベッカ様のようにポイント要件(70点以上)を満たしており、かつ日本に長く定住する意向があるならば、迷わず「高度専門職1号(ハ)」への変更をお勧めします。
以下に、その理由と「経営・管理」更新と比較した際の具体的なメリットを詳しく解説します。
1. なぜ「経営・管理」より「高度専門職」なのか?
「経営・管理」ビザは、経営者としての活動を認める「基本」の資格です。一方、「高度専門職1号(ハ)」は、経営能力に加え、学歴、職歴、年収などが高く評価された「エリート経営者」向けの優遇資格です。
- メリット1:永住権への圧倒的なスピード(最短1年) 最大のメリットは「永住許可」までの期間短縮です。通常の「経営・管理」では原則として10年の在留が必要ですが、高度専門職なら70点以上で3年、80点以上ならわずか1年で永住申請が可能になります。ベッカ様がもし80点を超えているなら、今回の変更から1年後には永住権を手にできる可能性があります。
- メリット2:親の帯同が可能(一定条件あり) 通常の就労ビザでは親を呼ぶことはほぼ不可能ですが、高度専門職であれば「世帯年収800万円以上」かつ「7歳未満の子の養育や、妊娠中の介助」などの条件を満たせば、ご両親をアメリカから呼び寄せることが可能です。将来的な家族計画において非常に大きな利点です。
- メリット3:家事使用人の帯同 多忙な経営者にとって、母国から信頼できる家事使用人を連れてきたいというニーズは多いです。高度専門職であれば、一定の年収要件のもと、家事使用人の雇用・帯同が認められます。
2. 「経営・管理」新基準と「高度専門職」の比較
2025年10月の法改正で「経営・管理」ビザの要件もアップデートされましたが、高度専門職と比較すると、その優遇の差は明らかです。
- 在留期間の確定性 「経営・管理」では審査により1年、3年、5年のいずれかが付与されますが、高度専門職は法律上、一律で「5年」の期間が確定します。これにより、頻繁な更新手続きのストレスから解放されます。
- 永住までの待機期間 「経営・管理」は原則10年待つ必要がありますが、高度専門職は1年〜3年と、劇的に短縮されます。
- 家族への優遇措置 「経営・管理」の配偶者は原則「家族滞在」となり就労は週28時間以内ですが、高度専門職の配偶者は、一定の条件を満たせばフルタイムでの就労が可能になる道が開かれています。
- 審査の焦点 「経営・管理」は主に事業の継続性がチェックされますが、高度専門職はベッカ様個人の「能力(ポイント)」に焦点が当たります。
3. 行政書士に依頼する際の実務上の留意点
高度専門職への変更には、通常の更新よりも「立証」の精度が問われます。
- ポイントの立証書類: アメリカの大学の卒業証明書、過去の経営実績、現在の役員報酬契約書など、一つひとつのポイントを「入管が納得する形式」で証拠化する必要があります。
- 年収の見込み: 高度専門職1号(ハ)は、今後の「年収見込み」が重要です。役員報酬の設定がポイント計算と整合性が取れているか、会社決算とのバランスはどうか、専門家による精査が欠かせません。
- 事業計画の継続性: ビザの種類が変わっても「経営者」であることに変わりはありません。会社が今後も安定して推移することを事業計画書で示す必要があります。
4. ベッカ様への最終アドバイス
ベッカ様が、「これからも日本を拠点にビジネスを拡大し、ゆくゆくは永住権を取得して自由に活動したい」と考えていらっしゃるなら、今回のタイミングで「高度専門職1号(ハ)」に切り替えるのがベストシナリオです。
「経営・管理」のまま更新を続けても、永住権までの道のりは遠いままです。また、高度専門職というステータスは、取引先や銀行からの信用向上に繋がるケースも少なくありません。
次のステップとして、まずは「正確なポイント計算」と「必要書類の棚卸し」を共に行いましょう。アメリカの書類を取り寄せる時間も考慮し、在留期限の3ヶ月前から準備をスタートさせるのが理想的です。
ベッカ様の日本での更なる成功を、プロフェッショナルとして全力でバックアップさせていただきます。
