質問内容)
① 相談種別: 短期滞在
② 申請種別: 再入国(上陸審査)の判断について
③ 状況概要: カナダ国籍のゼインと申します。シアトル在住のITエンジニアです。会社のプロジェクトで日本への出張が頻繁にあり、過去365日間で合計200日ほど日本に滞在しました。90日滞在して一度出国し、またすぐ入国するという形を繰り返していました。
④ 質問:
- 「年間180日制限は1月1日にリセットされる」と聞きましたが、本当でしょうか?
- すでに200日滞在していますが、このまま出張を続けると次回の入国時に拒否される可能性は高いですか?
行政書士からの回答)
ゼイン様、ご相談ありがとうございます。ITプロジェクトの重要性は理解できますが、現在の滞在状況は日本の入管法において非常に「アラート」が高い状態です。
結論から申し上げますと、「1月1日にリセット」という認識は誤りであり、現在のゼイン様は次回の入国時に上陸拒否(入国拒否)をされるリスクが極めて高い状況にあります。
1. 「180日ルール」の正しい計算方法
多くの人が「カレンダーイヤー(1月〜12月)」でリセットされると考えがちですが、実務上は異なります。
- 計算基準: 「今回の帰国予定日」から遡って直近365日間の合計滞在日数で計算します。
- リセットの概念: 常に「直近1年」の窓がスライドしていくイメージです。1月1日になったからといって、これまでの滞在実績がゼロになるわけではありません。
2. なぜ「入国拒否」のリスクが高いのか
すでに200日滞在しているゼイン様の場合、以下の2点が厳しく問われます。
- 居住実態の認定: 1年の半分(180日)以上日本にいる場合、入管は「この人物は一時的な訪問客ではなく、日本を生活拠点にしている」とみなします。この場合、短期滞在ではなく適切な就労ビザ等が必要です。
- 「ビザラン」への警戒: 90日ギリギリまでいて出国し、すぐに戻る行為は、次回、審査官に「あなたは実質的に日本で働いて住んでいるのではないか?」と追及される可能性が非常に高いです。
3. ゼイン様への具体的なアクション
- 1.「短期滞在」での再入国を控える: 現時点で180日を超えているため、シアトルの自宅にある程度の期間(数ヶ月単位)留まり、直近1年の合計日数が減るのを待つのが最も安全な回避策です。
- 2.適切なビザの取得: 今後も長期出張が必要なら、会社に依頼して「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するか、条件を満たせば最長6ヶ月滞在可能な「デジタルノマド」ビザを検討してください。
- 3.証拠資料の携行: もしどうしても次回も短期滞在で入国せねばならないなら、「米国での納税証明」「シアトルの住居契約書」「プロジェクトが今回で完結することを示す日程表」など、日本に定着する意図がないことを証明する資料を必ず持参してください。
4. 行政書士からのメッセージ
ゼイン様、ITの仕事はリモートで完結しやすいですが、入管は「物理的にどこに何日いたか」を重視します。200日の滞在実績がある今の状態で日本へ飛ぶのは、空港でそのまま追い返される(強制送還)リスクを伴う「賭け」に近い状態です。
プロジェクトを安全に進めるためにも、まずは滞在日数を正確にカウントし、会社側とビザの切り替えについて話し合うことを強くお勧めします。
※ 本記事は2026年3月時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は出入国在留管理庁のウェブサイト等でご確認ください。
