質問内容)
① 相談種別: 定住者(実子扶養定住)
② 申請種別: 在留資格変更許可申請
③ 状況概要: ベトナム国籍のリリーと申します。日本人配偶者ビザで6年間日本で暮らしてきましたが、離婚が成立しそうです。日本国籍を持つ1歳の子供がおり、私が親権を持って日本で育てたいと考えています。これまで専業主婦だったため現在は無収入ですが、これから仕事を探して自立するつもりです。
④ 質問:
日本人と離婚後、仕事が決まっていない無収入の状態で「定住者」ビザを申請しても、許可される可能性はありますか?子供を育てるための生活能力をどのように証明すればよいのでしょうか。
行政書士からの回答)
リリー様、ご相談ありがとうございます。小さなお子様を抱えての再出発、経済的な不安は大きいかと思いますが、まずは落ち着いてください。
結論から申し上げますと、申請時点で無収入であっても、日本国籍の実子を養育する場合、将来の就労意欲や周囲の支援を立証できれば「定住者」ビザが許可される可能性自体はあります。
1. 「無収入」を補うための立証ポイント
入管は「今お金があるか」だけでなく、「これから子供を育てていける基盤があるか」を総合的に判断します。無収入の場合は以下の資料を準備しましょう。
- 日本人実子の親権者であること:実子の父母の婚姻関係は必ずしも必要ではありません。
- 就職活動の意思: ハローワークへの登録カードや、求人に応募していることが分かる資料など、「働く意欲」を具体的に示します。
- 当面の生活費の証明:
- 離婚時の財産分与や慰謝料、あるいはご自身の預貯金の通帳コピー。
- 日本にいる親族や友人からの送金・住居提供などの支援が得られる場合は、その「身元保証書」や「支援の陳述書」
- 公的扶助と養育費: 夫からの養育費(銀行振込の約束など)や、離婚後に申請できる児童扶養手当の見込み額も生計の根拠となります。一時的に公的扶助を受けていることのみをもって不許可になるわけではありません。
2. 「実子扶養」における入管の判断
リリー様のように「日本人の実子」を育てている場合、人道的な観点から、独身の離婚定住よりも生計要件のハードルは緩和される傾向にあります。
- 子供の利益を最優先: 日本国籍を持つお子様が、日本で母親の監護を受けて育つことは「子供の福祉」にかなうため、入管もできる限り在留を認める方向にあります。
- 6年の在留実績: すでに日本で6年間生活しており、言葉や生活習慣に問題がないことは、日本での就職可能性が高いと判断されるプラス要素になります。
3. 今すぐ進めるべき準備
- 市区町村窓口での相談: 離婚後、まずは市役所や区役所で児童扶養手当や住宅確保給付金など、利用可能な公的支援について相談してください。その相談実績も「自立に向けた努力」として評価されます。
- 身元保証人の確保: 経済的に自立するまでの間、安定した収入のある知人や親族に「身元保証人」になってもらうことが、許可の可能性を大きく高めます。
- 詳細な理由書の作成: 専業主婦であった背景と、今後の就職活動の計画、そして何より「子供のために日本で生きる決意」を理由書にまとめます。
4. 行政書士からのメッセージ
リリー様、申請時に仕事が決まっていないことは決して「即不許可」の理由にはなりません。特に1歳のお子様がいる場合、入管は母親がすぐにフルタイムで働くのが難しいことも理解しています。
大切なのは、「今後どうやって生活を立て直すか」という具体的なロードマップを提示することです。不安な点は、専門家と一緒に一つずつ解消していきましょう。
※ 本記事は2026年時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は出入国在留管理庁のウェブサイト等でご確認ください。
