定住ビザFAQ

定住ビザ

「日本人の配偶者等」から「定住者」への変更。日本語能力の具体的な基準はありますか?

  • 2月 16 2026
  • FESO

質問内容)

① 相談種別: ビザ(在留資格の変更)

② 申請種別: 在留資格変更許可申請(配偶者ビザから定住者へ)

③ 状況概要: 友人からの相談です。アメリカ国籍の夫、日本人の妻のケースです。婚姻16年目で2人のお子様がいますが、家事・育児への非協力が原因で4年前から別居しています。現在は「日本人の配偶者等」ビザですが、将来的な離婚も視野に入れており、永住申請や「定住者」への変更を検討中です。在留期限が4月に迫っています。

④ 質問:

別居中ですが、将来を見越して「定住者」ビザへの変更を考えています。変更の要件として、婚姻期間や収入に加えて「日本語能力」が求められると聞きました。本人はあまり日本語が得意ではなく資格もありませんが、具体的な判定基準などはあるのでしょうか?

 

行政書士からの回答)

ご友人からのご相談とのこと、非常に複雑な状況ですね。婚姻16年、別居4年という状況は、現在の「配偶者ビザ」の更新においても、今後の「定住者」への変更においても、慎重な対応が求められます。

結論から申し上げますと、「定住者(離婚定住)」への変更において、日本語能力に「JLPT(日本語能力試験)〇級以上」といった形式的・絶対的な基準はありません。 しかし、日本での自立した生活を証明する一環として、日常会話レベルの能力は求められます。

 

1. 定住者ビザにおける「日本語能力」の捉え方

「定住者」への変更審査では、日本社会で周囲の助けを借りずに独立して生活していけるか(定着性)が見られます。

  • 具体的な基準: 法律で定められた点数はありませんが、「日常生活に支障がない程度(小学校高学年〜中学生レベル程度)」が事実上の目安です。
  • 資格の有無: 日本語能力試験(JLPT)などの資格があれば有利ですが、必須ではありません。16年日本に在留し、お子様の学校関係や仕事で意思疎通ができている実績があれば、それを「理由書」で説明することで補完可能です。

 

2. 日本語能力よりも「別居」と「生計」が大きな壁になる

今回のケースで、日本語能力以上に注意すべきポイントは以下の2点です。

  • 別居4年の影響: 「日本人の配偶者等」ビザは、実体のある婚姻生活(同居・相互扶助)が前提です。4年間の別居は「婚姻の実体がない」とみなされる可能性が高く、4月の更新が「1年」に短縮されたり、最悪の場合は不許可になるリスクがあります。
  • 定住者への変更タイミング: 「定住者」への変更は、原則として離婚が成立した後に行うものです。婚姻継続中(別居中)に「将来離婚するから定住者にしてほしい」という申請は、制度上非常に通りにくいのが実態です。

 

3. 今後の戦略的なアドバイス

4月の期限に向けて、以下の優先順位で検討することをお勧めします。

  1. 1.まずは「配偶者ビザ」の更新を死守する: 永住や定住を考える前に、まずは現在のビザを更新しなければなりません。別居理由が「離婚を前提としたものではなく、円満な関係維持のための戦略的別居(育児方針の違いなど)」であることを論理的に説明し、在留期間を確保します。そのうえで16年間に亘、2名のお子様を扶養している実績や、現在から将来に至っても扶養していくことをこれまでの送金記録や夫婦間での取決め内容などを説明書等により積極的に示す必要があります。
  2. 2.永住申請のハードル: 永住審査では「同居」が強く求められます。別居4年という事実は、永住審査において非常に高い確率でマイナス評価(不許可事由)となります。
  3. 3.日本語能力の補強: もし将来「定住者」を申請する際に不安であれば、今からでも日本語教室に通う、あるいは「ボランティア活動」などで地域社会に馴染んでいる実績を作っておくことが、資格以上の証明になります。

 

4. 行政書士からのメッセージ

婚姻16年という実績は非常に強力です。日本語が苦手であっても、日本で16年暮らし、お子様を育てているという事実は、それ自体が「日本への定着」を証明しています。また、外資系企業などでお勤めの場合は、社内公用語が英語であることを含めて安定的な地位と就労環境による自立的な生計を営むことが十分に可能である旨を説明しておくと良いでしょう。

日本語能力を過度に心配するよりも、まずは「別居状態での4月の更新をどう乗り切るか」、そして「現在の生活実態に合わせた最適な在留資格はどれか」を、一度専門家と精査されるのが最善です。

 

※ 本記事は2026年時点の情報に基づいて作成されています。最新の情報は出入国在留管理庁のウェブサイト等でご確認ください。



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