定住ビザFAQ

定住ビザ

過去に「定住者」として3年住んで帰国。数年後に再び日本へ戻るための再申請

  • 6月 30 2026
  • FESO

質問内容)

① 相談種別: 定住者ビザ(過去の在留歴があるケースの再呼び寄せ)

② 申請種別: 在留資格認定証明書交付申請(海外からの呼び寄せ)

③ 状況概要: ブラジル国籍のルカスと申します。私は祖父が日本人である「日系3世」です。2020年から3年間、在留資格「定住者」を取得して日本(愛知県)の自動車部品工場で働いていました。しかし、ブラジルにいる父が大きな病気を患い、看病の手伝いをするためにビザの更新手続きを行わず、在留カードを日本の空港で返却(単純出国)して帰国しました。それから数年が経過し、父の体調も安定したため、再度日本へ渡って生活基盤を築きたいと考えています。

④ 質問: 私のように、過去に「日系3世の定住者」ビザを保有して適法に3年間暮らしていた実績がある場合、数年間のブランクがあっても、再び日本へ呼び寄せてもらう(認定申請を行う)ことは可能でしょうか? 前回の滞在時、税金の滞納や犯罪歴、交通違反などは一切ありません。再申請にあたって入管から厳しくチェックされる点や、日系3世ならではの準備書類の注意点を教えてください。

 

行政書士からの回答)

ルカス様、ご相談ありがとうございます。結論から申し上げますと、過去に定住者ビザを一度持っていたからといって、今回も自動的にビザが再交付されるわけではありません。しかし、日系3世としての「血縁関係」を再度公的書類で証明し、事実に基づいた客観的なエビデンス(証拠)を揃えて「在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ)」を行えば、再び日本に戻ることは可能です。

今回の再申請における最大のポイントは、入管に対して「過去の申請データと矛盾のない確実な血縁証明」を行うこと、そして「なぜ一度帰国し、なぜ今また日本に戻る必要があるのか」という経緯の合理性を書面で説明することです。

実務上、入管がどのような点に注目して審査を行うのか、詳しく解説します。

 

1.  入管が再申請の審査で厳格にチェックする「3つのポイント」 

一度日本を離れてビザが消滅しているため、審査官は「新規の日系人呼び寄せ」としてルカス様を審査します。その際、特に以下の3点にズレがないかが確認されます。

① 過去の申請データとの「完全な整合性」

入管は、ルカス様が2020年に最初のビザを取った際や、日本にいた頃の過去の申請書類一式をすべてデータとして保管しています。 今回提出するブラジルの公的書類(出生証明書など)に記載された祖父・両親・本人の氏名のスペル、生年月日、過去の職歴などが、過去に入管に提出したデータと1文字でも矛盾していると、「虚偽の申請ではないか」と疑われ、審査が著しく長期化するか不許可になります。

② 一度帰国した理由と「再求職・再入国」の合理性

「なぜ前回のビザを更新せずに帰国したのか」「なぜ今、また日本に来る必要があるのか」というストーリーに嘘や矛盾がないかを見られます。今回のケースであれば、「お父様の病気療養のため」というやむを得ない事情があったことを、客観的な書類で裏付けることが大切です。

③ 日本での「生計維持能力」と受入体制

日系3世のビザは就労制限がないため自由に働けますが、来日直後に生活困窮に陥らないよう、あらかじめ日本での就職先(受入企業)が決まっているか、あるいは日本にいる親族等が身元保証人として経済的にサポートできる体制があるかがチェックされます。

 

2.  再申請を成功させるための具体的なリカバリー対策と必要書類

ルカス様が再申請を進めるにあたり、通常の「日系3世」の申請書類(日本の戸籍謄本や本国の出生証明書)に加えて、以下の「臨時の追加エビデンス」を必ず用意する必要があります。

【準備すべき追加の立証資料リスト】

  • 帰国理由・ブランク期間を裏付ける客観的証明(重要)
    • 提出書類: お父様の当時の診断書、治療費の領収書、または現在の回復状態を示す医師の書面(および日本語訳)。
    • 目的: 単に日本での生活に馴染めず投げ出して帰国したわけではなく、家族の看病というやむを得ない人道的事情で適法に出国したことを入管に証明します。
  • 過去のクリーンな在留実績の証明
    • 提出書類: 過去に日本で働いていた会社からの退職証明書、源泉徴収票、または過去の住民税の「納税証明書」。
    • 目的: 過去の3年間、日本社会において真面目に働き、納税義務を果たしていた優良な在留者であった事実をアピールします。
  • 日本側の身元保証人・受入体制の証明
    • 提出書類: 日本での採用予定通知書(雇用契約書)、または日本にいる親族等の住民税の課税・納税証明書、身元保証書。
    • 目的: 来日後、すぐに安定して日本での生活・就労を再開できる基盤が用意されていることを証明します。
  • 行政書士が作成する「詳細な事情説明書(理由書)」
    • 目的: なぜ一度帰国したのか、お父様の体調が落ち着いたため再度日本で長期的に生活基盤を築きたいという熱意と経緯を、A4用紙1〜2枚程度にまとめ、審査官に論理的に説明します。

3.  まとめ

過去に「日系3世として3年間トラブルなく暮らしていた」という事実は、入管に対する大きな信用材料になります。一度日本を出国して数年のブランクがある以上、書類はすべて最初から集め直す必要がありますが、過去のデータと完全に一致した書類を作成すれば、再申請を恐れる必要はありません。

日系人のビザ申請では、本国の出生証明書(ポルトガル語など)の翻訳や、日本の親族の戸籍謄本の追跡など、書類の正確性が何よりも命となります。

過去の申請履歴との整合性に不安がある場合や、本国での帰国理由の書面化に迷った際は、失敗(不許可履歴が付くこと)を避けるためにも、事前にビザ実務に精通した私どものような専門の行政書士に相談し、確実な戦略を立てて進めることを強くお勧めいたします。お気軽にお問い合わせください。

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