日本人配偶者ビザお役立ち情報

日本人配偶者ビザ

国際結婚で「離婚の危機」…ビザへの影響は?知っておくべき「離婚後の在留資格」の選択肢

  • 8月 8 2025
  • FESO

日本人との国際結婚は、愛があればこそ乗り越えられる喜びと挑戦に満ちています。しかし、残念ながら、夫婦関係がうまくいかなくなり、「離婚の危機」に直面することもあるかもしれません。

「もし離婚したら、私のビザはどうなるの?」 「日本に住み続けたいけど、方法はあるの…?」

このような不安を抱えている方へ。日本人配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)は、その名の通り「日本人の配偶者であること」が前提のビザです。そのため、離婚はあなたの在留資格に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、国際結婚における離婚の危機がビザに与える影響、そして万が一離婚してしまった場合に知っておくべき「離婚後の在留資格」の選択肢について、行政書士の視点から詳しく解説します。絶望するだけでなく、その後の生活を再建するための道筋を探っていきましょう。

 

1. 離婚の危機が「日本人配偶者ビザ」に与える影響

夫婦関係が悪化し、別居を開始したり、離婚の話し合いを進めたりする状況は、あなたの現在の「日本人配偶者ビザ」に直接的な影響を及ぼします。

(1) 在留期間更新許可申請への影響

  • 夫婦関係の破綻を疑われる: 別居や離婚の話し合いをしている状況でビザの更新申請を行うと、入国管理局(入管)は「夫婦関係が実態を伴っていない」あるいは「すでに破綻している」と判断する可能性が高まります。
  • 不許可のリスク: 夫婦関係が破綻していると判断されれば、ビザの更新は許可されず、不許可となる可能性が非常に高いです。これは、ビザの前提条件(日本人の配偶者であること)を満たしていないと見なされるためです。
  • 質問書の内容と整合性: 更新申請の際に提出する「質問書」には、夫婦関係の実態について詳細に記入する必要があります。正直に「別居中である」「離婚を検討している」と記載すれば審査は厳しくなりますし、虚偽の記載は絶対に避けるべきです。

(2) 在留資格取消しのリスク

  • 離婚が成立した場合: 離婚が成立し、あなたが日本人配偶者ではなくなった場合、現在の「日本人の配偶者等」の在留資格は、原則としてその理由が消滅したことになります。
  • 「特定活動」への変更届出: 離婚が成立すると、あなたは14日以内に入管に**「配偶者に関する届出(離婚届)」**を提出する義務があります。この届出を怠ると、在留資格が取り消される可能性があります。
  • 「特定活動」への一時的変更: 離婚届出後、一時的に「特定活動」ビザ(6ヶ月間)が与えられる場合があります。これは、次の在留資格への変更や日本からの出国準備のための期間です。この期間中に、次のステップを検討し、行動を起こす必要があります。

 

2. 離婚後の「日本での生活」を諦めない!在留資格の選択肢

離婚が成立し、「日本人の配偶者等」の在留資格がなくなっても、日本に住み続けるための道が完全に閉ざされるわけではありません。あなたの状況によっては、他の在留資格に変更できる可能性があります。

選択肢1:定住者ビザへの変更 — 日本に子どもがいる場合

日本人配偶者との間に子どもがいる場合は、「定住者」ビザへの変更を検討できる可能性が最も高いです。

  • 対象: 日本人の子を監護・養育している外国人(たとえ親権者が日本人配偶者であっても、実質的にあなたが子どもの世話をしている場合)や、日本に一定期間居住しており、安定した生活を送れる見込みがある場合。
  • 主な要件:
    • 子の監護・養育の事実: 子どもの親権者であること、あるいは実際に監護・養育していることを証明できること。
    • 経済的な安定性: 子どもを扶養し、日本で安定した生活を送るに足る収入があること(就労しているか、安定した援助があるかなど)。
    • 日本での居住状況: これまでの日本での在留期間、納税状況、社会保険の加入状況などが良好であること。
  • ポイント: 子どもが日本人である場合(または永住者の子である場合)、その子の利益を保護する観点から、在留が許可される可能性が高まります。

選択肢2:就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)への変更 — 専門性や学歴がある場合

あなたが特定の専門分野でのスキルや学歴を持っている場合は、**「就労ビザ」**への変更を検討できます。

  • 対象: 大学や専門学校を卒業しており、就労ビザで認められる職種(例:ITエンジニア、通訳、貿易事務、国際業務など)に就くことができる場合。
  • 主な要件:
    • 学歴: 大卒以上の学歴、または日本の専門学校で特定の専門分野を修了していること。
    • 職務内容: 転職先の会社での業務内容が、ビザの種類に合致していること。
    • 安定した収入: 新しい会社での給与が、日本で安定した生活を送るに足る額であること。
    • 雇用先の安定性: 雇用する会社の経営が安定していること。
  • ポイント: 離婚が成立し、在留資格が消滅する前に、速やかに新しい仕事を見つけ、就労ビザへの変更手続きを行うことが重要です。

選択肢3:特定活動ビザ(離婚準備期間、婚姻継続活動など)

離婚の話し合い中や、離婚成立後に一時的な在留を希望する場合に、**「特定活動」**ビザが与えられることがあります。

  • 対象: 離婚手続き中で、日本での生活を一時的に継続する必要がある場合や、子どもを養育する親が、日本にいる必要があると認められる場合など。
  • 期間: 通常6ヶ月間が与えられ、この間に次の在留資格への変更手続きを進めるか、日本からの出国を準備します。

選択肢4:留学ビザへの変更

もし、学業を再開したい、または新しい分野を学びたいという意思があれば、**「留学」**ビザへの変更も選択肢となり得ます。

  • 要件: 日本の教育機関(大学、専門学校、日本語学校など)に入学許可を得ていること、学費や生活費を支払う能力があることなど。

 

3. 離婚の危機に直面したら…いますぐ専門家へ相談を!

国際結婚における離婚は、国籍、法律、文化、そして感情が複雑に絡み合う問題です。特にビザへの影響は深刻であり、適切な対応をしないと、日本での生活を続けることが非常に難しくなります。

  • 情報収集は早めに: 離婚の危機を感じたら、まずはビザへの影響について正確な情報を集めましょう。
  • 行政書士・弁護士との連携:
    • 行政書士: 離婚後の在留資格の選択肢、ビザ変更の要件や手続きについて、専門的なアドバイスが可能です。
    • 弁護士: 離婚そのものの法的手続き(慰謝料、財産分与、親権など)について専門です。
    • 両者の連携: 離婚の話し合いとビザの件は密接に関わっているため、両方の専門家と相談し、連携しながら進めることが最も重要です。
  • 虚偽の申告は絶対にしない: 入管への届出や申請において、虚偽の情報を申告することは、後々のビザ取得に深刻な悪影響を及ぼします。正直に対応することが何よりも大切です。

 

まとめ:諦めないで!新しい未来への一歩を踏み出すために

国際結婚における離婚の危機は、心身ともに大きな負担となるでしょう。しかし、それがあなたの日本での人生の終わりではありません。適切な情報を知り、適切な選択肢を選び、そして専門家のサポートを得ることで、日本での新しい未来を切り開くことは十分に可能です。

もし、今、あなたがこのような状況に直面し、不安を感じているのであれば、決して一人で悩みを抱え込まず、私たち行政書士にご相談ください。あなたの日本での生活が守られ、次のステップへと進めるよう、全力でサポートさせていただきます。