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無職・フリーランス・派遣でも大丈夫?配偶者ビザで重視される「世帯収入」の合格ライン

作成者: FESO|May 25, 2026 3:02:58 AM

大好きな人と国際結婚をして、日本で一緒に暮らしたい。そう願って「日本人の配偶者等」の在留資格(配偶者ビザ)の申請を準備する際、多くの方が突き当たる大きな壁があります。それが、「夫婦の経済力(収入)」に関する不安です。
「転職したばかりで、直近の収入が低い」 「フリーランス(個人事業主)で、節税しているから所得が少なく見える」 「派遣社員や契約社員だけど、雇用形態で不許可になる?」 「諸事情でいま一時的に無職。これではビザは取れないの?」
特に近年の物価高や不安定な経済情勢を受け、出入国在留管理局(入管)による「生計維持能力(日本で自立して安定して暮らせるか)」の審査は、これまで以上に厳格化しています。
今回は、2026年現在の最新の入管審査の傾向を踏まえ、配偶者ビザにおける「収入」の合格ラインと、収入面に不安がある場合の具体的なリカバリー対策を、ビザ専門の行政書士が徹底解説します。

 

1. 配偶者ビザに「一律の年収ボーダー」はあるのか?

結論から言うと、入管の審査基準に「年収〇〇万円以上でなければ一発不許可」というような明確な数値基準は公表されていません。
しかし、実務上の目安として、夫婦2人が日本で生活していくためには、「世帯年収で380万〜400万円程度」が、一つの最低基準ラインと言われています。
ただし、これはあくまで目安です。入管が本当に見ているのは単なる「数字」ではなく、「生活保護などの公的扶助を受けずに、日本で安定的・継続的に独立して暮らしていけるか」という実体です。
昨今の急激な物価高の影響により、特に都市部(東京など)での生活コストが上昇しているため、入管の審査官も「この限られた収入で、本当に家賃や食費を払ってやっていけるのか?」を非常にシビアにチェックするようになっています。
審査のベースとなるのは、日本人の住民税の「課税証明書・納税証明書」です。ここに記載されている「総所得」の金額が低い場合、入管から「生計維持能力に疑義あり」とみなされ、不許可リスクが跳ね上がってしまいます。

 

2. 収入面に不安がある場合の立証・リカバリー対策の一例

では、現在の雇用形態や直近の収入に不安がある場合、どのように審査官の不安を解消すればよいのでしょうか。代表的な4つのケース別に、具体的な対策を解説します。

① 転職直後・就職したての場合

課税証明書は「前年の収入」をベースに発行されるため、昨年無職の期間があったり、前職の給与が低かったりすると、証明書の数字は低くなります。

  • 対策: 過去の数字ではなく「現在の安定性と将来の継続性」を証明します。新しく入社した会社から「雇用契約書」や「給与見込証明書」を発行してもらい、直近数ヶ月分の「給与明細のコピー」を添付して、現在は十分な月収があることをアピールします。

② フリーランス・個人事業主の場合

個人事業主の方は、売上が高くても経費を多く計上(節税)していると、課税証明書の「所得(利益)」の欄が非常に低くなってしまうことがあります。入管は「売上」ではなく「所得」ベースで審査するため、これが原因で不許可になるケースが多発しています。

  • 対策: 確定申告書の控え(B表や青色申告決算書)のコピーを提出し、経費の内訳(生活費と混ざりやすい家賃や車両費など)を説明します。また、主要取引先との「業務委託契約書」や、今後の売上見込み、現在の「預貯金通帳のコピー」を提出し、事業の健全性と資金力を証明します。

③ 派遣社員・契約社員・パートの場合

「正社員ではないから」という理由だけで不許可になることはありません。

  • 対策: 「雇用の安定性」を伝えます。これまでの職歴の長さ、現在の派遣先での就労期間、契約更新の回数がわかる資料を提出します。もし収入が低めであっても、現在の職場で5年以上長期間安定して働いてきた実績があれば、入管への強いアピールになります。

④ 一時的に無職・休職中の場合

現在、ケガや病気、介護、あるいは自己都合での退職などにより、夫婦ともに(または収入の柱となる側が)無職の場合、そのまま申請すると不許可になる可能性が極めて高いです。

  • 対策: 次の章で解説する「親族のサポート」や「資産の証明」をフルに活用する必要があります。

 

3. 収入が低い・無職の場合の「3つの強力な解決策」

世帯収入がどうしても目安に届かない、あるいは現在求職中という場合でも、以下の3つの方法を組み合わせることで、生計要件をクリアできる可能性が残されています。

解決策①:日本にいる親族を「追加の身元保証人」にする

最も有効なのが、日本側にいる親(例えば日本人の両親など)に、追加の身元保証人や世帯のサポーターになってもらう方法です。 両親が健在で、一定の安定した収入や年金がある場合、その両親の課税証明書や住民票、身元保証書を一緒に提出し、「万が一、夫婦の生活が困窮した場合は、両親が経済的援助を行う体制が整っている」ということを書面で証明します。

解決策②:預貯金や不動産などの「資産」でカバーする

毎月の「フロー(収入)」が少なくても、これまでに蓄えた「ストック(資産)」があるなら、それを最大限に証明します。 夫婦名義の預貯金通帳のコピー(過去数ヶ月〜1年分の動きがわかるもの。急に大金が振り込まれたものは『見せ金』と疑われるためNG)や、所有している不動産の登記事項証明書などを提出し、「しばらく収入が低くても、切り崩して生活できる余裕がある」ことを示します。

解決策③:外国人配偶者の就労予定(共働き計画)を示す

外国人配偶者側が、日本語が堪能(JLPT N2以上など)であったり、ITや語学などの専門スキルを持っており、日本に来てすぐに働く予定がある場合は、その計画を具体的にアピールします。すでに内定が出ている場合は「内定通知書」、求職活動中であれば具体的な就職プランや履歴書を添付します。

 

4. 不許可を防ぐ「家計の収支計画書」の作り方

収入に不安があるカップルが配偶者ビザを勝ち取るための最大の武器、それが「家計の収支計画書(シミュレーション)」です。

これは、「確かに私たちの現在の収入は平均より低いですが、これこれこういう理由で、生活保護に頼らず、毎月黒字で健全に暮らしていけます」ということを、入管の審査官に数字で納得してもらうための書類です。

例えば、以下のようなプラスの生活環境があれば、計画書に必ず盛り込みます。

  • 実家に同居する、または親の持ち家に住むため、家賃(住居費)が0円である
  • 会社の社宅・家賃補助があり、固定費が大幅に抑えられている
  • 車を所有せず、都市部で公共交通機関を利用するため、維持費がかからない

これらを1ヶ月の「想定収入」と「想定支出(家賃、光熱費、食費、通信費など)」の表として細かく洗い出し、「毎月〇万円が手元に残る」という現実的な収支計画を理由書に添付するのです。数字の辻褄が合っており、論理的であれば、審査官も納得して許可を出しやすくなります。

 

5. 経済的な不安は「見せ方と書類の工夫」で解消できる

近年の物価高の影響で、入管の生計要件の審査がシビアになっているのは事実です。しかし、「収入が低い=即不許可」ではありません。

一番やってはいけないのは、不安だからといって収入を多く見せかけたり、実態のない嘘の計画を書類に書くことです。入管は役所のネットワークを通じてあなたの実際の税金データをすべて把握していますので、嘘は一発で看破され、最悪の場合、将来にわたってビザが取れなくなるリスクがあります。

現在の状況をありのままに受け止め、「なぜ今この収入なのか」「これからどうやって生活を安定させていくのか」を、客観的な証拠(エビデンス)とともにロジカルに説明することが、許可への唯一の近道です。

当事務所「Visa Lawyers Cafe」では、 それぞれのカップルのご状況を丁寧にヒアリングし、入管を納得させる「収支計画書」や「理由書」の支援をしております。

「私たちの収入でビザが取れるか不安…」と一人で悩まず、まずは一度、お気軽にご相談ください。二人の日本での新しいスタートを、全力で応援いたします。