日本で会社を設立し、経営者として活躍したい。そんな夢を抱いて経営管理ビザを申請したものの、「審査がなかなか終わらない」「もう何ヶ月も待っている」と不安な日々を過ごしている方は少なくありません。
今回は、2度の不許可を経て、3回目の申請で6ヶ月以上も審査が続いている外国人の方からのご相談をモデルに、ビザの審査が長期化する理由と、審査中に注意すべきことについて解説します。
「2年前に初めて経営管理ビザを申請しましたが、不許可になりました。昨年再申請しましたが、それも不許可。今回、3回目の申請をしましたが、6ヶ月経ってもまだ結果が出ません。最初に用意した500万円の資本金も、事務所家賃の支払いで減り続けています。このままでは事業が始められないので、一度500万円を引き出して、投資などに回してもいいですか?」
これは、私たち行政書士に寄せられる、非常に深刻なご相談の一例です。
経営管理ビザの審査は、他の就労ビザに比べて特に慎重に行われます。その理由は、事業計画の実現可能性や、申請人の方が本当に事業を経営する意思と能力があるのかを総合的に判断する必要があるからです。
審査が長期化する場合、以下のような理由が考えられます。
結論から申し上げますと、審査中に500万円の出資金を勝手に引き出すことは、絶対に避けるべきです。
経営管理ビザの審査は、申請時に提出した事業計画書に基づき、事業が継続的に安定して行われる見込みがあるかを判断します。その重要な根拠となるのが、資本金500万円です。
審査が長期化している間も、事業が継続できる状態であることを示す必要があります。
審査が長期化している場合、入国管理局に「上申書」を提出することで、審査の進捗を促せる可能性があります。ただし、単に「早くしてほしい」と書くだけでは効果はありません。
上申書は、審査が長引いている現状を説明し、なぜ今許可が必要なのか、そして事業の実行に支障がないことを入国管理局に伝えるためのものです。
経営管理ビザの審査が長引くのは、あなただけに起こる特別なことではありません。過去の不許可歴や、事業計画の信憑性など、様々な要因が考えられます。
審査中は、安易な自己判断で資金を動かすことはせず、入国管理局の審査官が「この事業は、この経営者なら成功するだろう」と納得できるような、揺るぎない事業の継続性と安定性を示すことが最も重要です。
もし、ご自身の状況が複雑で、どうすれば良いか判断に迷う場合は、専門家である行政書士に相談することをお勧めします。あなたの夢を諦めず、許可を得られるよう、しっかりとサポートさせていただきます。