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経営管理ビザをキャンセル・清算して帰国する際の「手続きと注意点」完全ガイド

作成者: FESO|Nov 10, 2025 1:27:52 AM

日本で会社を設立し、経営管理ビザを取得して事業に尽力されてきた皆様、お疲れ様でした。誠に残念ながら、事業を継続することが難しくなり、本国への帰国を決断された方もいらっしゃるかと思います。

しかし、事業の断念は決して失敗ではありません。次のキャリアへスムーズに進むための準備期間です。ただし、外国人経営者が日本から帰国する際には、単に荷物をまとめて飛行機に乗るだけではなく、「経営管理ビザの適切な処理」と「設立した法人の清算手続き」という、非常に重要な二つの手続きが残ります。

これらを怠ると、ビザが取り消されたり、将来、日本に再入国する際に不利になったりするリスクがあります。この記事では、経営管理ビザを持つ外国人経営者の方が、日本での事業に後腐れなくピリオドを打ち、次のステップに進むために必要な手続きと注意点を、行政書士がステップ形式で完全解説します。

 

ビザの手続き:帰国時に最も重要な「在留カードの扱い」

日本で事業を廃止し、在留資格に基づく活動を行わなくなった場合、ビザ(在留資格)は自動的に失効するわけではありませんが、適切な対応が必要です。

1. 事業を停止したら「活動機関に関する届出」を

経営管理ビザは、日本で会社を経営・管理するためのビザです。事業を停止(廃業)した日から14日以内に、出入国在留管理庁へ「活動機関に関する届出」を行う義務があります。 この届出を怠ると、将来的な再申請時に不利になる可能性があるため、必ず行いましょう。

2. 帰国時の在留カードの返納

日本から完全に帰国し、在留資格を放棄する場合、空港の出国審査時に在留カードを返納します。この返納手続きをもって、あなたの在留資格は正式に終了となります。 

【重要】 在留カードを返納する前に、在留期間更新許可申請などで使用した「写し」を手元に残しておくことを推奨します。

行政書士からのアドバイス 帰国前に事業を完全に清算できず、やむを得ず帰国を延期する必要がある場合は、「特定活動」への在留資格変更を検討することも可能です。これは、会社清算など帰国準備のための猶予期間を得るための手続きです。ご自身の状況に合わせて、専門家にご相談ください。

 

法人清算の義務:帰国前に完了すべき「会社を閉じる」手続き

ビザの手続き以上に複雑で時間と手間がかかるのが、設立した法人の清算手続きです。会社は法的な人格を持つため、事業を辞めたからといって放置することはできません。

1. 法人の「解散登記」と「清算手続き」

会社を正式に消滅させるには、「解散」の決定後、法務局で解散登記を行い、その後、財産の整理を行う「清算手続き」が必要です。

  • 解散の決議: 株主総会で解散を決議し、清算人を選任します。
  • 清算人による手続き: 債権者への公告、債権の回収、債務の弁済、残余財産の株主への分配などを行います。

2. 税務署等への届出(休業・廃業)

解散・清算を決めたら、税務署、都道府県税事務所、市町村役場へ「異動届出書」(廃業届)を提出します。

→ 提出を怠ると、事業実態がないにもかかわらず、法人住民税の均等割(年間数万円)が毎年課税され続けます。帰国後にこの支払いが滞ると大きなトラブルにつながります。

3. 社会保険・労働保険の手続き

役員や従業員が加入していた社会保険(健康保険、厚生年金)や労働保険(雇用保険、労災保険)についても、資格喪失や事業所廃止の届出が必要です。

→ 社会保険については事業主が「適用事業所全喪届」を管轄の日本年金機構へ提出します。雇用保険については、管轄するハローワークに「雇用保険適用事業所廃止届」を提出し、更に労災保険と雇用保険の保険料清算手続きとして事業を廃止した日の翌日から50日以内に、労働保険確定保険料申告書を管轄の労働基準監督署等へ提出します。

行政書士からのアドバイス 法人清算手続きは、解散登記から完了(清算結了登記)まで、最低でも2ヶ月以上かかります。また、税務や社会保険の手続きも複雑です。すべてを自力で行おうとすると帰国スケジュールに支障をきたすため、専門家(行政書士・司法書士・税理士)に一括で委任されることを強く推奨します。

 

帰国後も影響する「税金と債務」の精算

法人の税務・財務処理を怠ると、経営者個人が責任を問われたり、将来の日本への再入国時の審査に悪影響が出たりする可能性があります。

1. 帰国後の納税義務を果たす「納税管理人」

帰国後も、会社の清算手続きに伴う税金の申告や納税が発生する可能性があります。また、個人の確定申告が必要な場合もあります。 この際、あなたの代わりに納税に関する手続きを行う「納税管理人」を選任し、税務署に届け出る必要があります。納税管理人は、日本在住の個人や法人が務めることができます。

2. 会社が負っている債務の確認

銀行からの借入金、未払い金、オフィスの賃貸契約の違約金など、会社に残った債務(借金)を必ず確認し、清算手続きの中で処理します。会社の債務が解決しないまま放置すると、清算が完了しません。

 

後腐れなく、次のキャリアへ進むために

経営管理ビザのキャンセルと法人清算は、単なるビザの処理ではなく、日本でのキャリアの締めくくりであり、次のステップへ進むための大切なプロセスです。

手続きを曖昧にしたまま帰国してしまうと、将来的に日本への再入国が難しくなるだけでなく、日本国内での税金や債務に関するトラブルに巻き込まれるリスクが残ります。

 

煩雑な手続きは私たち行政書士にお任せください

ご自身のビザや会社の状況が複雑だと感じている方は、まずはお気軽にご相談ください。あなたの帰国を「最短・確実」にサポートし、後腐れなく次のキャリアへ進めるよう道筋を設計します。