留学生の皆さんにとって、学費や生活費を支えるためのアルバイトは欠かせないものです。しかし、2026年からその管理体制がこれまでにないほど厳格化されることをご存知でしょうか。
「少しくらいオーバーしてもバレないだろう」 「複数の店で働けば、合計時間はわからないはず」
そんな考えが、これからは通用しなくなります。2026年6月からスタートする「特定在留カード」とマイナンバーの連携によって、何が変わるのか、そして将来の就労ビザ申請にどう影響するのかを解説します。
1. 2026年6月スタート:特定在留カード(マイナンバー一体型)の衝撃
2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードが一つになった「特定在留カード」の交付が始まります。これにより、これまでバラバラだった「入管の在留情報」と「税務署・自治体の所得情報」が、マイナンバーを通じてリアルタイムに近い形で紐付けられます。
- 収入から労働時間が「逆算」される: 企業が支払う給与情報は税務当局へ報告されます。入管はマイナンバーを通じてその給与額を把握できるため、「時給から換算すると、この学生は週40時間働いているはずだ」といったオーバーワークの疑いが自動的に浮かび上がるようになります。
- 掛け持ちも筒抜けに: 複数のアルバイト先で働いている場合も、マイナンバーで名寄せされるため、すべての合計時間が合算されます。「店Aで20時間、店Bで15時間」といった合計35時間の就労も、一瞬で判明してしまいます。
2. 就労ビザへの変更申請で「不許可」になるリスクが激増
最も注意すべきは、大学や専門学校を卒業して「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへ切り替える際です。
- 過去の履歴がすべてチェックされる: 就労ビザへの変更申請時、入管は過去のアルバイト実績を遡って確認します。新システムでは過去の違反歴がデータとして残っているため、学校の長期休暇中を除いて、一週間で28時間を超えた労働時間がある場合、それが「素行不良」とみなされ、不許可になるリスクが非常に高まっています。
- 「知らなかった」は通用しない: 「店長に頼まれたから」「忙しかったから」という理由は、入管には一切通用しません。自分の在留資格を守る責任は、あくまで留学生本人にあると判断されます。
3. 【2026年度以降】資格外活動許可の運用そのものも厳格化へ
さらに2026年度中には、資格外活動許可(アルバイト許可)の仕組みそのものが見直される方針です。
- 包括許可から「個別審査」へのシフト: これまでは申請すればほぼ自動的に「週28時間」の許可が出ていましたが、今後は学校の出席率や成績が悪い学生に対しては、許可を与えない、あるいは勤務先を特定させる「個別許可」に切り替えるなどの厳しい運用が検討されています。
まとめ:2026年からの「生き残り」戦略
2026年以降、留学生が日本で卒業後も働き続けたいのであれば、「週28時間ルール」の絶対遵守がこれまで以上に重要になります。
- 1.特定在留カードへの切り替えに備える: 便利になる一方で、自分の情報が透明化されることを自覚しましょう。
- 2.スケジュール管理を徹底する: 複数のバイトをしている人は、自分でシフトを合算して管理する「自己防衛」が必要です。
- 3.学業を最優先に: 出席率や成績が悪いと、アルバイト許可そのものが取り消される時代が来ます。
「これまでは大丈夫だった」という甘い認識は捨てなければなりません。もし、過去のオーバーワークが不安で就労ビザへの変更を迷っている方がいらっしゃいましたら、手遅れになる前に専門家である行政書士にご相談ください。状況に応じた最善の対策を一緒に考えましょう。