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【就労ビザ維持のルール】「年間〇日以上」は間違い!専門家が教える長期出国で注意すべきこと

  • 12月 11 2025
  • FESO

就労ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」など)を持つ外国人の方で、海外出張や一時帰国が多くなり、「年間で何日以上、日本に滞在しなければビザが取り消されないのだろうか?」と不安に感じる方は少なくありません。

インターネット上には「年間180日以上の滞在が必要」といった情報も見られますが、結論から申し上げますと、入管法には就労ビザ保有者に対して「年間〇日以上」の滞在を義務付ける明確な規定は存在しません。

しかし、明確なルールがないからこそ、「活動の実態」を維持するために注意すべき点があります。この記事では、就労ビザ維持の真のポイントを行政書士が解説します。

 

1. 就労ビザ維持の真の基準は「活動の実態」

就労ビザの維持において入管庁が判断する最も重要な要素は、「形式的な滞在日数」ではなく、その外国人が「在留資格に定められた活動を日本国内で継続して行っているか」という活動の実態です。

1-1. ビザ取り消しのリスクとなる長期不在

入管法では、正当な理由なく3ヶ月以上日本を離れて活動を行っていない場合、在留資格を取り消すことができると規定されています。

  • 3ヶ月ルール: この3ヶ月ルールは、単に海外に滞在していた期間ではなく、「在留資格に該当する活動を継続して行っていなかった期間」を指します。
  • 出張と活動の実態: 海外出張や赴任の場合は、その海外での活動が日本の所属企業からの命令に基づくものであり、日本の企業と継続的な雇用関係が維持されていれば、「活動の実態がある」と見なされます。

 

2. 長期出国が更新審査に与える影響

たとえビザが取り消されなくても、海外での長期滞在が続いた場合で、外国の支店に所属していることと同視できる程度に指揮命令関係関係が存在し、給与支払いも粗外国法人からの支給へと切り替わってしまっているようなケースでは、次回の在留期間更新許可申請の審査が厳しくなる可能性があります。

2-1. 永住申請への影響

特に将来、永住権申請を考えている方は注意が必要です。永住権の居住要件(継続して10年居住など)を満たす上で、年間100日以上(約3ヶ月以上)の出国が頻繁にあると、「生活の基盤が日本にない」と判断され、永住審査が非常に不利になります。

2-2. 雇用継続の証明の重要性

更新審査では、長期出張が多い場合、入管庁から「本当に活動の本拠地が日本にあるのか?」という質問や、追加資料の提出を求められることがあります。

  • 提出すべき資料: 長期出張の理由を説明する出張命令書、海外出張中も日本の会社から給与が支払われ雇用契約が維持されている証明、日本国内での納税義務を履行している証明などが重要になります。

 

3. 就労ビザを維持するための具体的な注意点

就労ビザを維持し、次回の更新や将来の永住申請に備えるために、以下の点に注意してください。

3-1. 1年以上の海外滞在には「再入国許可」の取得

日本を離れる期間が1年を超える可能性がある場合は、必ず入管庁で再入国許可を取得してください。再入国許可なしに1年以上日本を離れると、在留資格が自動的に失効します。

3-2. 勤務先への「届出」の履行

勤務先の企業は、外国人社員が退職した場合や、長期出張などで契約内容に変更が生じた場合、入管庁へ14日以内に届出を行う義務があります。長期出張や転勤の際は、会社と協力して必要な手続きを履行しているか確認してください。

 

不安な長期滞在は専門家に相談をしましょう!

就労ビザの維持は、形式的な日数ではなく、活動の実態と継続性によって判断されます。長期出張や一時帰国が多い方は、「活動の実態がない」と誤解されないよう、入管庁が納得するだけの客観的な証拠と説明を用意しておくことが不可欠です。

ご自身の就労ビザ維持にご不安がある場合は、ぜひ一度私どもまでご相談ください。

 

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