特定技能1号で日本に在留している方にとって、特定技能2号への変更は非常に大きな関心事です。令和5年6月9日、日本政府の閣議決定により、これまでは建設や造船といった一部の分野に限られていた特定技能2号ですが、対象分野が大幅に拡大されたことで、より多くの方に長期滞在や家族帯同のチャンスが広がりました。
しかし、2号への変更には1号よりも厳しい実務経験や試験合格の要件が課されます。また、永住権を見据えた長期的な視点での準備も欠かせません。
この記事では、特定技能1号から2号への変更を検討している方からよく寄せられる質問に対し、行政書士が詳しく回答します。
1. 職歴と実務経験に関する質問
Q1. 特定技能2号に変更するために必要な実務経験はどれくらいですか?
特定技能2号への変更には、単に1号として働くだけでなく、一定の「熟練した技能」が求められます。具体的な期間の定めは分野によりますが、一般的には班長やグループリーダーとして、現場で一定の監督・指導的な役割を担えるレベルの実務経験が必要です。申請時には、企業からの実務経験証明書などが重要な書類となります。
Q2. 1号の5年間をすべて満了しないと2号へは変更できませんか?
いいえ、1号の在留期間が5年経つ前であっても、2号の要件(試験合格や実務経験)を満たせば変更申請は可能です。むしろ、1号には5年の上限があるため、早めに要件を満たして2号へ切り替えておくことで、将来の在留期間への不安を解消できます。
2. 試験と日本語能力に関する質問
Q3. 特定技能2号になるための試験は難しいですか?
特定技能2号の評価試験は、1号の試験よりも高度な知識と技術を問う内容になっています。現場での判断力や監督能力が試されるため、日頃の業務知識だけでなく、試験対策の学習が必要です。また、漁業と外食業分野のように日本語能力試験(JLPT)のN3以上など、より高い語学要件が課される場合もあります。
3. 家族帯同と将来に関する質問
Q4. 2号になれば家族(配偶者や子供)を日本に呼べますか?
はい、特定技能2号の最大のメリットの一つが家族帯同です。特定技能1号では原則として家族を呼ぶことはできませんが、2号になれば配偶者や子供を日本に呼び、一緒に暮らすことが可能になります。
Q5. 特定技能2号は永住権の申請につながりますか?
はい、つながります。特定技能1号の期間は永住権申請に必要な居住期間(10年以上)にはカウントされますが、其の内に必要とされる就労期間(5年以上)にはカウントされません。しかし、特定技能2号の期間は、就労期間としてもカウントされます。そのため、2号へ変更し、安定して働き続けることで、将来的に永住権を取得できる可能性が格段に高まります。
4. 企業側のサポートと手続きに関する質問
Q6. 1号のときのような「登録支援機関」のサポートは必要ですか?
特定技能2号には、1号で義務付けられていた登録支援機関による支援義務はありません。これは、2号がより自立した高い能力を持つ人材と見なされるためです。ただし、入管への各種届出や更新手続きは引き続き必要であり、企業と本人が協力して適正に管理していく必要があります。
結論:2号への変更は戦略的な準備が不可欠です!
特定技能2号への変更は、日本での将来を大きく左右する重要な手続きです。要件を満たしているかの確認や、企業側での書類準備、さらには永住権を見据えたライフプランの構築など、早めの準備と正確な知識が求められます。
ご質問などございましたらぜひ私たち行政書士にご相談ください。最新の傾向を踏まえた上で、あなたの滞在を全力でサポートさせていただきます。
