ALTとして日本での生活が始まると、当初の1年契約だけでなく、「もっと長く日本にいたい」「将来は大学で教えたい」「永住権を取りたい」という目標が出てくる方も多いはずです。
実は、ALTが持つ「教育ビザ」は、他の就労ビザと比較して非常に専門性が高く評価される一方で、キャリアの選択肢を広げる際にはいくつか注意すべき「壁」があります。
1. ALTから「専修学校・大学」へステップアップする場合
小中高のALT(教育ビザ)から、専門学校や大学の講師に転職する場合、在留資格の「変更」が必要になるケースがほとんどです。
- 専修学校(専門学校)で教える場合: 多くの場合、在留資格は「技術・人文知識・国際業務」に変わります。
- 大学で教える場合: 在留資格は「教授」に変わります。
【注意点】 ビザの種類が変わるということは、入管による「審査」をゼロからやり直すということです。特に「教授」ビザへの変更は、論文実績や高等教育機関での指導経歴が厳しくチェックされます。将来を見据え、ALT時代から研究活動や資格取得(修士号の取得など)を計画的に進めることが重要です。
2. 「教育ビザ」で永住権を目指す際の強みと弱点
日本に長く住み、永住権を取得したいと考えるALTの方は多いですが、審査では以下のポイントが焦点になります。
- 強み:社会的な信頼性 公立学校等で教えるALTは、地域社会への貢献度が高いとみなされ、在留態度(素行)の面でポジティブな印象を与えやすい傾向にあります。
- 弱点:年収の安定性 永住審査では「年収300万円以上」がひとつの目安となります。ALTの給与体系(月額20〜25万円程度)だと、単身であればクリア可能ですが、扶養家族がいる場合は「独立生計要件」で厳しく審査されることがあります。
- 弱点:在留期間の短さ 雇用形態が非正規となることが多く、契約期間に紐づく形で在留期間が1年と小刻みな単位での決定がなされることも散見されます。永住審査では現在有する在留期間は5年以上を保持していることが求められます(2025年1月現在は3年以上)。その為、非正規雇用で雇用契約の期間を更新するスタイルで就労継続している場合には、永住申請の権利を得ることが困難なケースがあります。
3. 副業をするなら「資格外活動許可」が必須
ALTの中には、週末に英会話スクールで教えたり、翻訳の仕事をしたりして収入を補いたいと考える方もいます。しかし、「教育ビザ」は学校以外で報酬を得ることを許可していません。
- 解決策: 事前に「資格外活動許可」を取得する必要があります。これを受けずに学校以外で働くと、次回のビザ更新や永住申請の際に「不法就労」として致命的なマイナス評価を受けるリスクがあります。
4. 2026年現在の最新トレンド:特定技能への「教え子」の送り出し
最近では、ALTが学校現場で培った「教えるスキル」を活かし、特定技能ビザで来日する外国人材への日本語教育や、生活オリエンテーションの担当者(登録支援機関のスタッフなど)へ転身する事例も増えています。この場合、ビザは「技術・人文知識・国際業務」となります。
まとめ:ビザは「あなたのキャリア」を守る鎧
ALTという仕事は、子どもたちの未来を作る素晴らしい仕事です。その一方で、ビザの手続きを一歩間違えると、あなたのキャリアプランが崩れてしまうこともあります。
- 契約更新のたびに納税状況(住民税など)をチェックする。
- 転職や副業の際は、必ずビザの種類を確認する。
これらを意識するだけで、日本での生活はより安定したものになります。
「今の自分のビザで、この仕事はできる?」「将来のために今から準備できることは?」といった不安があれば、いつでも専門家にご相談ください。あなたの日本での夢を、法律の側面からしっかりと支えます。
