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出国ラッシュ後の注意点:長期出張・一時帰国と「再入国許可」の罠

作成者: FESO|Feb 20, 2026 6:58:16 AM

年末年始や大型連休、あるいは母国の旧正月などに合わせた長期の一時帰国、さらにはプロジェクトに伴う海外出張など、就労ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」など)を持つ方にとって、日本を離れる機会は少なくありません。

しかし、この「日本を離れる期間」の管理を誤ると、現在のビザを失うだけでなく、将来の永住申請が白紙に戻ってしまうという重大な「罠」が潜んでいます。特に、2026年からの新システム運用や厳格化された審査基準のもとでは、これまで以上に慎重な対応が求められます。

この記事では、出国ラッシュ後に改めて確認すべき、長期出国に伴うリスクと対策を行政書士が解説します。

 

1. 「みなし再入国許可」の期限切れという致命的なミス

多くの外国人が利用しているのが、入管庁での事前手続きなしに出国できる「みなし再入国許可」です。しかし、ここには大きな落とし穴があります。

1-1. 1年以内に戻らなければ「ビザ失効」

みなし再入国許可で出国した場合、出国から1年以内(または在留期限のいずれか早い方)に日本に再入国しなければなりません。

  • よくある失敗: 「仕事が長引いた」「航空券が取れなかった」といった理由で1年を過ぎてしまうと、その瞬間にあなたの在留資格は消滅します。海外から期限を延長することは不可能なため、改めてビザを取り直す(COE申請)という多大な労力と時間が必要になります。
  • 2026年の注意点: 長期出張の可能性がある場合は、最初から入管庁で「再入国許可(有効期間最大5年)」を取得してから出国することを強くお勧めします。

 

2. 永住申請を阻む「年間100日の壁」

現在、あるいは将来的に永住権の取得を考えている方にとって、年間の出国日数は審査の合否を分ける極めて重要な指標です。

2-1. 「引き続き10年」がリセットされるリスク

永住申請の要件である「引き続き10年の居住」は、長期間の出国があるとリセット(ゼロからのやり直し)されてしまうことがあります。

  • 審査の目安: 一般的に、一度の出国で90日以上、または年間(合計)で100日から120日以上日本を離れていると、「日本に生活の本拠がない」とみなされる可能性が高まります。
  • 仕事の出張でも例外ではない: たとえ会社の命令による出張であっても、日数が多すぎれば「居住実態がない」という事実は変わりません。2026年現在の審査現場では、この日数が以前よりも厳格にカウントされる傾向にあります。

 

3. 在留期間更新への影響と「活動実態」の立証

永住申請だけでなく、次回の「在留期間更新許可申請」においても、長期の不在はマイナスに働くことがあります。

3-1. 会社との契約維持の証明

日本に不在の間も、日本の会社との雇用契約が継続し、給与が支払われていることが必須条件です。

  • 報告義務の罠: 2026年からの運用では、長期出国中の社会保険料や税金の支払い状況もより詳細にチェックされます。出張中にこれらが滞ると、更新不許可のリスクが跳ね上がります。
  • 理由書の備え: 長期不在があった場合は、次回の更新時に「なぜ長期の出国が必要だったのか」「その間も日本を拠点に活動していたこと」を、行政書士が作成する論理的な理由書で補足説明する必要があります。

 

4. 2026年からの新システムと「特定在留カード」への一体化

2026年からは在留管理システムがさらにデジタル化され、出入国の記録と納税・社会保険のデータがより緊密に連携されるようになります。

4-1. データの不整合を防ぐ

住所変更の届出漏れや、出国中の税金未納などは、新システムによって即座に把握されます。出国前には必ず、住民税の納税管理人を立てるなどの手続きを完了させ、自身のデータに不備が生じないよう管理を徹底してください。

 

出国前の「一歩進んだ」リスク管理を

出国ラッシュの後に「自分のビザや将来の申請は大丈夫だろうか」と不安を感じる必要はありません。大切なのは、ルールを正確に把握し、必要な対策を事前に講じることです。

特に年間100日を超える出国が見込まれる方や、みなし再入国の期限が不安な方は、手遅れになる前に専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。