年末年始や大型連休、あるいは母国の旧正月などに合わせた長期の一時帰国、さらにはプロジェクトに伴う海外出張など、就労ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」など)を持つ方にとって、日本を離れる機会は少なくありません。
しかし、この「日本を離れる期間」の管理を誤ると、現在のビザを失うだけでなく、将来の永住申請が白紙に戻ってしまうという重大な「罠」が潜んでいます。特に、2026年からの新システム運用や厳格化された審査基準のもとでは、これまで以上に慎重な対応が求められます。
この記事では、出国ラッシュ後に改めて確認すべき、長期出国に伴うリスクと対策を行政書士が解説します。
多くの外国人が利用しているのが、入管庁での事前手続きなしに出国できる「みなし再入国許可」です。しかし、ここには大きな落とし穴があります。
みなし再入国許可で出国した場合、出国から1年以内(または在留期限のいずれか早い方)に日本に再入国しなければなりません。
現在、あるいは将来的に永住権の取得を考えている方にとって、年間の出国日数は審査の合否を分ける極めて重要な指標です。
永住申請の要件である「引き続き10年の居住」は、長期間の出国があるとリセット(ゼロからのやり直し)されてしまうことがあります。
永住申請だけでなく、次回の「在留期間更新許可申請」においても、長期の不在はマイナスに働くことがあります。
日本に不在の間も、日本の会社との雇用契約が継続し、給与が支払われていることが必須条件です。
2026年からは在留管理システムがさらにデジタル化され、出入国の記録と納税・社会保険のデータがより緊密に連携されるようになります。
住所変更の届出漏れや、出国中の税金未納などは、新システムによって即座に把握されます。出国前には必ず、住民税の納税管理人を立てるなどの手続きを完了させ、自身のデータに不備が生じないよう管理を徹底してください。
出国ラッシュの後に「自分のビザや将来の申請は大丈夫だろうか」と不安を感じる必要はありません。大切なのは、ルールを正確に把握し、必要な対策を事前に講じることです。
特に年間100日を超える出国が見込まれる方や、みなし再入国の期限が不安な方は、手遅れになる前に専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。