
日本への短期滞在ビザで滞在しているけれど、予定が変わってもう少し長く日本にいたい…。そう考える方もいるかもしれません。しかし、原則として短期滞在ビザの在留期間を日本国内で延長することは非常に難しいのが現状です。
この記事では、短期滞在ビザの期間延長が例外的に認められるケースと、もし延長が認められた場合の手続きについて解説します。安易な延長滞在は不法滞在につながるため、しっかりと確認しておきましょう。
原則として短期滞在ビザの延長は認められない
まず、大原則として、短期滞在ビザで許可された在留期間は変更や延長が認められていません。これは、短期滞在ビザが一時的な滞在を前提としたビザであるためです。
したがって、当初の滞在予定を超えて日本に滞在したい場合は、一度出国し、改めて目的に合った別のビザを取得して再入国する必要があります。
例外的に期間延長が認められる可能性のあるケース
ごく限られた状況下でのみ、短期滞在ビザの期間延長が例外的に認められる可能性があります。ただし、これらのケースでも必ず延長が許可されるわけではありません。最終的な判断は入国管理局が行います。
- 人道的な理由による場合:
- 重篤な疾病・負傷: 滞在中に本人または近親者が重篤な病気や怪我に見舞われ、治療や看病のためにどうしても帰国できない場合。医師の診断書や入院証明書など、客観的な証明書類が必要です。
- 災害: 日本国内で大規模な自然災害が発生し、交通機関の麻痺などにより帰国が困難になった場合。
- その他、人道的に配慮すべき特別な事情: 上記に準ずる、やむを得ない事情がある場合。
- 日本側の事情による場合:
- 裁判・捜査への協力要請: 日本の警察や裁判所から、事件の捜査や裁判への協力のために引き続き日本に滞在するよう要請があった場合。公的な機関からの協力要請書が必要です。
重要な注意点:
- 単なる観光の継続や個人的な都合による延長は、原則として認められません。
- これらの例外的なケースに該当する場合でも、期間延長が必ず許可されるとは限りません。
- 期間満了間際になってからの申請は、不許可となる可能性が高くなります。
短期滞在ビザの期間延長が認められた場合の手続き
もし、上記のような例外的な理由で短期滞在ビザの期間延長が認められる可能性がある場合、以下の手続きを行う必要があります。
- 地方出入国在留管理局への相談: まずは、管轄の地方出入国在留管理局に事情を説明し、期間延長が可能かどうか相談してください。必要な書類や手続きについて指示を受けることになります。
- 在留期間更新許可申請: 期間延長が可能と判断された場合、「在留期間更新許可申請」を行う必要があります。申請書は地方出入国在留管理局の窓口で入手するか、法務省のウェブサイトからダウンロードできます。
- 必要書類の準備: 相談時に指示された書類を準備します。一般的な必要書類としては、以下のものがあります。
- 在留期間更新許可申請書
- パスポート
- 在留カード(お持ちの場合)
- 期間延長を必要とする理由を証明する書類(医師の診断書、災害証明書、公的機関からの要請書など)
- 滞在中の経費支弁能力を証明する書類(預金残高証明書など)
- 身元保証書(必要な場合)
- その他、入国管理局が求める書類
- 地方出入国在留管理局への申請: 準備した申請書と必要書類を管轄の地方出入国在留管理局に提出します。
- 審査: 提出された書類に基づいて審査が行われます。追加の書類提出や事情の説明を求められる場合があります。
- 結果通知: 審査の結果が通知されます。許可された場合は、新しい在留期間が記載された在留カードが交付されます(在留カードをお持ちでない場合は、パスポートに新しい証印が押されます)。
重要な注意点:
- 申請は、現在の在留期間が満了する前に行う必要があります。 期間満了後の申請は、不法滞在となる可能性があります。
- 申請しても、必ず許可されるとは限りません。
- 虚偽の申請や書類の偽造は、不許可となるだけでなく、罰則の対象となる場合があります。
安易な延長滞在は絶対に避ける
短期滞在ビザの期間延長は、あくまで例外的な措置であり、安易な延長滞在は絶対に避けるべきです。許可された期間を超えて日本に滞在した場合、不法滞在となり、退去強制の対象となるだけでなく、今後の日本への入国が長期間禁止される可能性もあります。
もし、当初の予定よりも長く日本に滞在したい場合は、期間満了前に必ず出国し、改めて目的に合った適切なビザを取得して再入国することを検討してください。
まとめ
短期滞在ビザの在留期間を日本国内で延長することは、原則として認められていません。しかし、人道的な理由や日本側の特別な事情がある場合に限り、例外的に延長が許可される可能性があります。
もし、期間延長を希望する場合は、まずは管轄の地方出入国在留管理局に相談し、指示に従って適切な手続きを行うことが重要です。安易な延長滞在は絶対に避け、日本の法律を遵守するように心がけてください。
ご自身の状況が期間延長の対象となる可能性があるか不明な場合は、専門家である行政書士にご相談ください。 状況を詳しくお伺いし、適切なアドバイスをさせていただきます。