定住者(在留資格「定住者」)の皆さん、またはこれから取得を目指す皆さんにとって、ビザの更新や申請の傾向は、日本での生活の安定に直結する重要な情報です。
定住ビザは、日系人の方や、日本人との離婚・死別後に生活基盤を維持するために認められるなど、その背景が非常に多様です。近年、日本の在留資格制度全体が厳格化する中で、定住ビザの審査にもいくつかの重要な傾向が見られます。
この記事では、2025年9月現在の定住ビザに関する最新の動向と、申請・更新で特に注意すべき3つの重要ポイントを行政書士の視点から解説します。
永住ビザの審査が厳格化しているのと同様に、定住ビザの更新や永住への変更を視野に入れた申請においても、「公的義務の履行」が非常に厳しくチェックされています。
定住者ビザは、日本に長期的に定住することを前提としているため、日本人と同じように社会のルールと義務を果たしているかが問われます。過去の審査では見過ごされがちだった軽微な滞納や未納も、現在は厳しくチェックされる対象となっています。
【対策】 「うっかり忘れ」は通用しません。 ご自身の過去5年間の納税・社会保険料の納付状況を自ら確認し、もし未納期間があれば、速やかに追納(後から納めること)を行うなど、誠実な対応をすることが必須です。
定住ビザは就労制限がないため、自由に働くことができますが、そのビザの前提は「日本に定住していること」です。そのため、長期間の海外滞在は、「日本に生活の本拠がない」と見なされ、ビザの更新が難しくなるリスクがあります。
長期間(特に一度に3ヶ月以上、または年間で半年以上)海外に滞在している場合、入国管理局は「なぜ日本で定住する必要があるのか?」と、その理由を厳しく問う傾向が強まっています。
【対策】 長期で海外に出る際は、必ず事前に「再入国許可」を取得し、出国・帰国の日付を正確に記録しておきましょう。また、更新時には、海外滞在の理由と、その間も日本での生活を維持していた証拠(日本の銀行口座の利用履歴、日本の家賃支払い記録など)を詳細に説明することが重要です。
定住ビザを持つ方の最終目標は永住ビザであるケースが多く、そのステップアップのルートは引き続き有効ですが、要件の遵守がより重視されています。
定住者ビザから永住ビザへの変更を申請する場合、原則として「引き続き5年以上日本に在留していること」が求められます。この「5年ルール」を遵守しているか、またその期間を通して安定した生活を送っていたかが審査されます。
【対策】 永住申請を検討する際は、5年間の在留期間だけでなく、その期間内の納税・社会保険の納付状況に一点の曇りもないかを徹底的に確認することが、成功への最短ルートとなります。
2025年9月現在の定住ビザの傾向は、「日本に定住する者は、日本人と同様に社会の義務を果たし、生活基盤を安定させるべきである」という入国管理局の強い姿勢を示しています。
定住ビザは、あなたに日本での大きな自由を与えてくれますが、その自由は「継続的な自己管理」と「社会への誠実性」の上に成り立っていることを忘れてはいけません。
これらのポイントをしっかりと押さえ、もしご自身の在留状況に不安がある場合は、ぜひ私たち行政書士にご相談ください。最新の傾向を踏まえた上で、あなたの定住ビザの更新・申請を全力でサポートさせていただきます。