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【定住ビザ】更新・申請で知っておくべき3つの重要ポイント

作成者: FESO|Oct 2, 2025 2:25:14 AM

定住者(在留資格「定住者」)の皆さん、またはこれから取得を目指す皆さんにとって、ビザの更新や申請の傾向は、日本での生活の安定に直結する重要な情報です。

定住ビザは、日系人の方や、日本人との離婚・死別後に生活基盤を維持するために認められるなど、その背景が非常に多様です。近年、日本の在留資格制度全体が厳格化する中で、定住ビザの審査にもいくつかの重要な傾向が見られます。

この記事では、2025年9月現在の定住ビザに関する最新の動向と、申請・更新で特に注意すべき3つの重要ポイントを行政書士の視点から解説します。

 

1. 「公的義務の履行」は永住者レベルの厳しさ!—納税・社会保険料の確実な納付

永住ビザの審査が厳格化しているのと同様に、定住ビザの更新や永住への変更を視野に入れた申請においても、「公的義務の履行」が非常に厳しくチェックされています。

最新の傾向

定住者ビザは、日本に長期的に定住することを前提としているため、日本人と同じように社会のルールと義務を果たしているかが問われます。過去の審査では見過ごされがちだった軽微な滞納や未納も、現在は厳しくチェックされる対象となっています。

  • 納税義務の確実な履行: 住民税、所得税などの納税証明書や課税証明書を提出し、過去の支払い状況に滞納がないかが確認されます。
  • 社会保険料の納付: 国民年金や厚生年金、健康保険料について、未納期間や支払い遅延がないかが詳細に確認されます。特に国民年金は、支払い忘れが多い部分ですが、これがビザ更新の大きなマイナス要因となり得ます。
  • 医療費の滞納: 医療費の未払い履歴がある場合、入国拒否や在留更新不許可の可能性が強化されるという方針が示されており(2025年7月時点)、公的サービス利用における誠実性が強く求められています。

【対策】 「うっかり忘れ」は通用しません。 ご自身の過去5年間の納税・社会保険料の納付状況を自ら確認し、もし未納期間があれば、速やかに追納(後から納めること)を行うなど、誠実な対応をすることが必須です。

 

2. 「生活の本拠」の継続性が鍵!—長期海外滞在の記録と説明

定住ビザは就労制限がないため、自由に働くことができますが、そのビザの前提は「日本に定住していること」です。そのため、長期間の海外滞在は、「日本に生活の本拠がない」と見なされ、ビザの更新が難しくなるリスクがあります。

最新の傾向

長期間(特に一度に3ヶ月以上、または年間で半年以上)海外に滞在している場合、入国管理局は「なぜ日本で定住する必要があるのか?」と、その理由を厳しく問う傾向が強まっています。

  • 生活基盤の実態審査: 単に住民票があるだけでなく、日本国内での住居の維持(家賃や公共料金の支払い)、扶養家族の在留、日本での就労や活動の継続性など、生活基盤が日本にあることを客観的に証明する必要があります。
  • 再入国許可の厳格化: 定住者は永住者と異なり、再入国許可(みなし再入国許可を含む)の期間を過ぎると、永住者のように5年間の特例がなく、ビザを失うリスクが高いため、長期の海外滞在には特に注意が必要です。

【対策】 長期で海外に出る際は、必ず事前に「再入国許可」を取得し、出国・帰国の日付を正確に記録しておきましょう。また、更新時には、海外滞在の理由と、その間も日本での生活を維持していた証拠(日本の銀行口座の利用履歴、日本の家賃支払い記録など)を詳細に説明することが重要です。

 

3. 「定住者からの永住」へのステップがより明確に!—5年ルールの遵守

定住ビザを持つ方の最終目標は永住ビザであるケースが多く、そのステップアップのルートは引き続き有効ですが、要件の遵守がより重視されています。

最新の傾向

定住者ビザから永住ビザへの変更を申請する場合、原則として「引き続き5年以上日本に在留していること」が求められます。この「5年ルール」を遵守しているか、またその期間を通して安定した生活を送っていたかが審査されます。

  • 要件緩和の適用: 定住者ビザの方は、通常の永住申請に必要な「10年以上の在留」要件が「5年」に緩和されるため、非常に有利です。
  • 永住審査の厳格化の影響: 永住ビザの審査自体が全体的に厳格化し、長期化(標準処理期間4ヶ月に対し、実際は半年〜1年半以上かかるケースも)しているため、定住者からの申請であっても、収入の安定性や公的義務の履行は非常に高いレベルで求められます。
  • 審査の長期化: 特に東京や大阪などの大都市圏の入国管理局は申請件数が増加しており、審査期間が長期化する傾向にあります。

【対策】 永住申請を検討する際は、5年間の在留期間だけでなく、その期間内の納税・社会保険の納付状況に一点の曇りもないかを徹底的に確認することが、成功への最短ルートとなります。

 

まとめ:定住ビザの安定は「自己管理」と「誠実性」にかかっている

2025年9月現在の定住ビザの傾向は、「日本に定住する者は、日本人と同様に社会の義務を果たし、生活基盤を安定させるべきである」という入国管理局の強い姿勢を示しています。

定住ビザは、あなたに日本での大きな自由を与えてくれますが、その自由は「継続的な自己管理」「社会への誠実性」の上に成り立っていることを忘れてはいけません。

  • 公的義務は完璧に履行する。
  • 長期の海外滞在は慎重に行動し、生活基盤を日本に維持する。
  • 永住を見据えて5年間の安定した生活を積み重ねる。

これらのポイントをしっかりと押さえ、もしご自身の在留状況に不安がある場合は、ぜひ私たち行政書士にご相談ください。最新の傾向を踏まえた上で、あなたの定住ビザの更新・申請を全力でサポートさせていただきます。