離婚後も日本にいたい！更新と維持のための条件

日本人と結婚して「日本人の配偶者等」を持っている方が、もし離婚してしまった場合、引き続き日本にいるためには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか？今回は、離婚後に「日本人の配偶者等」から「定住者」に変更するための大切なポイントを、行政書士の目線からわかりやすく解説します。

定住ビザの基本と離婚の影響

まず、日本人の配偶者という身分に基づいて手に入れた「日本人の配偶者等」は、その結婚の関係がなくなった場合、 根拠を失うことになります。しかし、離婚したからといって、必ずすぐにビザが取り消されるわけではありません。入国管理局は、一人ひとりの状況を考えて、引き続き日本にいることを認めるかどうかを判断します。

離婚後の定住ビザ：更新と維持の主な条件

離婚後に「日本人の配偶者等」から「定住者」に変更するためには、主に次の条件が考えられます。

１．結婚していた期間の長さ

結婚していた期間が長いほど、日本社会に長く住んでいると判断されることがあります。一般的には、３年以上の結婚期間があることが、「定住者」への変更の一つの目安として考えられます。

２．子供がいるかどうかと、育てている状況

日本人である配偶者との間に子供がいる場合で、あなたがその子供の親権を持っていて、実際に日本で育てている状況であれば、「定住者」への変更が認められる可能性が高くなります。

３．日本社会への貢献度

離婚後も日本で仕事をしていて、安定した収入があることや、地域の活動に関わっていることなどが、日本社会への貢献として考えられることがあります。

４．離婚の原因と理由

離婚の原因が、主に日本人である配偶者側にある場合や、あなたに悪いところがなかったと認められるような特別な理由がある場合には、日本にいることが認められやすいことがあります。

５．人道的な配慮

病気やそのほかの人道的な理由により、自分の国へ帰ることが難しい状況にある場合なども、引き続き日本にいることが認められることがあります。

６．自分で生活できる能力

離婚後、日本人であった配偶者に養ってもらうのではなく、自分自身の収入や持っているお金によって安定した生活を送ることができることが求められます。

定住ビザの更新手続きと必要な書類

離婚後に「定住者」への変更を希望する場合は、普通の変更の手続きに加えて、離婚に至った理由や、上記のような更新を認めるべき事情を具体的に説明する書類を提出する必要があります。

主な必要な書類（普通のものに加えて、離婚に関するもの）

• 在留資格変更許可申請書
• パスポート
• 在留カード
• 離婚届の受理証明書（または離婚の判決書）
• 離婚に至った理由を説明する書面（くわしい状況、理由などを書く）
• 子供がいる場合は、親権を証明する書類（戸籍謄本など）と育てている状況を説明する書面
• 離婚後の安定した収入を証明する書類（在職証明書、収入証明書、納税証明書など）
• 日本での生活状況を示す書類（住民票、地域の活動への参加状況など）
• そのほか、入国管理局が個別に求める書類
  

大切な注意点

• 正直でくわしい説明: 離婚の理由や、引き続き日本にいたい理由を、正直でくわしく説明することが大切です。
• 客観的な証拠を出す: あなたの言うことを裏付ける客観的な証拠（書類、写真、第三者の証言など）をできるかぎり提出しましょう。
• 早めに相談する: 離婚が成立したら、できるだけ早く入国管理局や専門家（行政書士）に相談し、今後の手続きについてアドバイスをもらうことを強くお勧めします。
• 更新が必ず認められるわけではない: 上記の条件を満たしていても、更新が必ず許可されるとは限りません。入国管理局の最終的な判断になります。
  

まとめ

離婚後に「定住者」に変更し、日本での生活を続けるためには、結婚していた期間の長さ、子供がいるかどうか、日本社会への貢献、離婚の原因など、いろいろな要素が考えられます。必要な書類をきちんと準備し、正直でていねいに状況を説明することが大切です。心配な場合は、早めに専門家である行政書士にご相談ください。