定住者の在留資格をお持ちの皆さん、日本でご自身の生活基盤を築き、お子様を育てていらっしゃる方も多いことと思います。お子様が日本で育ち、日本の学校を卒業し、やがて社会人になる時、「うちの子どもは、将来日本で働くときに就労ビザは必要なの?」と疑問に感じることはありませんか?
「親が定住者だから、子どももビザなしで働ける?」 「日本の大学を出たら、就労ビザはもらいやすい?」
このような疑問は、お子様の将来を真剣に考える親御さんにとって、とても重要な関心事でしょう。
この記事では、定住者の在留資格を持つ親を持つお子様が、将来日本で就職する際にどのようなビザの選択肢があるのか、あるいは就労ビザが不要となるケースがあるのか、そのリアルな状況とキャリア形成への影響について、行政書士の視点から詳しく解説します。
まず、基本的な考え方からお伝えします。
お子様が「定住者」の在留資格を持つ親に扶養されている場合、お子様自身も多くの場合、「定住者」の在留資格を取得(または「家族滞在」から「定住者」への変更)しているでしょう。
この「定住者」の在留資格は、原則として就労活動に制限がありません。つまり、「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」のような特定の職種や活動に限定されることなく、どのような職種・業種にも就くことが可能です。
これは、外国人にとって非常に大きなメリットであり、お子様が将来のキャリアパスを自由に選択できる大きな強みとなります。
はい、多くの場合、「定住者の子」は、親と同じ「定住者」の在留資格を持っているため、就労ビザ(例:技術・人文知識・国際業務)を改めて取得する必要はありません。
これは、在留資格「定住者」が、法務大臣が特別な理由を考慮して日本での居住を認めるものであり、その活動内容に制限が設けられていないためです。お子様が日本で小学校、中学校、高校、大学、専門学校を卒業し、就職する場合でも、親と同じ「定住者」の在留資格のまま働くことができます。
「就労ビザが不要」というのは非常に有利ですが、以下の点には注意が必要です。
日本で育ち、日本の教育を受けた「定住者の子」は、日本の労働市場において非常に大きな強みを持っています。
お子様が将来、ご自身で「永住者」の在留資格を目指すことも十分に可能です。親が定住者である場合、お子様が永住申請をする際の条件が有利になる場合があります。
お子様が日本で長く働き、貢献することで、永住者として認められる道は大きく開かれています。
定住者の在留資格は、親御さん自身の日本での生活を安定させるだけでなく、日本で育つお子様の将来のキャリア形成においても、非常に大きな意味を持つ「パスポート」となることがお分かりいただけたでしょうか。
お子様は、就労ビザに縛られることなく、自身の能力や夢に合わせて自由に職業を選択でき、日本人と同等レベルの日本語能力と日本社会への適応力、そして国際性を兼ね備えた、これからの日本社会に不可欠な人材となれる可能性を秘めています。
親御さんがお子様のビザの安定を願うならば、まずはご自身が定住者としての在留資格をきちんと維持し、将来的に永住権を取得することも視野に入れておくことが、お子様の未来をさらに確かなものにするための重要なステップとなります。
お子様の将来のビザやキャリアについて、具体的なご相談やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽に私たち行政書士にご相談ください。ご家族皆様の日本での幸せな未来をサポートさせていただきます。