念願の永住ビザ(永住者の在留資格)を取得された皆さん、本当におめでとうございます!在留期間の制限がなくなり、日本での生活基盤がより安定したと感じていることでしょう。しかし、「永住」という言葉に安心しきってはいけません。永住は「権利」ではなく「許可」ですので、一定の条件下では取り消される可能性があるのです。
この記事では、永住ビザを取得した後でも、どのような場合に在留資格が取り消されてしまうのか、行政書士の視点から重要なケースを解説します。永住ビザを維持し、安心して日本で生活するために、しっかりと理解しておきましょう。
永住ビザは、他の在留資格と比較して、在留期間の更新が不要であるなど、非常に安定した地位です。しかし、日本の法律では、永住者であっても在留資格が取り消される場合が定められています。これは、日本社会の一員として、一定の義務やルールを守ることが求められているためです。
以下のいずれかに該当する場合、永住者の在留資格は法務大臣によって取り消される可能性があります。
永住ビザの申請時に、虚偽の申告をしたり、偽造された書類を提出したりするなど、不正な手段によって永住許可を得ていたことが判明した場合、在留資格は取り消されます。これは、永住許可の根幹を揺るがす重大な違反行為とみなされます。
永住者であっても、日本の法律に違反し、退去強制事由に該当する行為を行った場合、在留資格が取り消される可能性があります。退去強制事由に該当する主な例としては、以下のようなものがあります。
永住者が、日本の国益を害する行為を行ったと認められた場合、在留資格が取り消される可能性があります。具体的にどのような行為が該当するかは、個別の状況によって判断されますが、国の安全を脅かすような行為などが該当する可能性があります。
永住者が日本から出国する際、原則として再入国許可(有効期間内)を得る必要があります。再入国許可を受けずに長期間(原則として1年、特別再入国許可の場合は2年)を超えて日本国外に滞在した場合、永住の在留資格は消滅します。これは、日本に生活の本拠を置いているという永住者の前提が失われたとみなされるためです。
再入国許可や在留期間更新許可(永住者には通常関係ありませんが、他の在留資格を経て永住に至った場合など)の申請時に、虚偽の記載などをした場合も、在留資格取り消しの対象となる可能性があります。
永住者の在留資格が取り消されると、以下のような結果が生じます。
永住ビザは、一度取得すれば永久に保証されるものではありません。以下の点を常に意識し、日本での生活を送ることが大切です。
永住ビザは、日本での長期的な生活を安定させるための重要な資格ですが、その地位は絶対的なものではありません。不正な手段による取得、重大な法令違反、国益を害する行為、再入国許可なしでの長期出国など、一定の条件に該当すると取り消される可能性があります。
永住ビザを取得した後も、日本の法律やルールを遵守し、社会の一員としての責任を自覚して生活することが、安心して日本で暮らし続けるために最も重要なことです。