日本で経験を積んだ優秀な外国人材に、もう一度自社で活躍してほしい。そう願う企業様は少なくありません。しかし、技能実習2号を終え、特定技能1号として働いた後に帰国した方を、再び「技能実習3号」として呼び戻すことは制度上可能なのでしょうか。特定技能から技能実習へという、一見「逆戻り」に見えるこの手続きには、2026年現在の入管運用における緻密な戦略が求められます。今回は実際の相談事例をもとに、その可能性と注意点を詳しく解説します。
ご質問のケースは、制度上可能です。ただし、いくつかの高いハードルと注意点があります。
登録支援機関の方がおっしゃる通り、技能実習2号を良好に修了している実績があるため、特定技能1号を経た後であっても、「技能実習3号」として呼び戻すことは法的に可能です。
ただし、以下の条件をすべてクリアする必要があります。
こちらも理論上は「可能」です。 技能実習3号を修了、あるいは実習中に特定技能2号の要件(実務経験・試験合格)を満たせば、在留資格変更許可申請を行うことができます。
制度上可能であっても、実務では以下の3点に厳重な注意が必要です。
入管や技能実習機構は、「なぜ一度特定技能(労働力)になった人が、また技能実習(学ぶ立場)に戻るのか?」という点に疑義を持ちます。 「2号の要件を満たすための更なる技能習熟が必要である」といった、技能実習制度の趣旨に沿った正当な理由を理由書で論理的に説明しなければ、不許可のリスクがあります。
特定技能1号には通算5年の上限がありますが、技能実習3号として滞在する期間は、この5年にはカウントされません。そのため、1号の残り期間が少なかった方にとって、3号を経由することは「日本に滞在できる期間を延ばしつつ、2号への準備をする」という戦略的な選択肢になり得ます。
2026年現在、技能実習制度は「育成就労制度」への移行準備期間に入っています。2027年以降は制度が大きく変わるため、現在申請中の3号が新しい制度下でどのように扱われるか、最新の経過措置を確認しながら進める必要があります。
今回のような「特定技能→技能実習3号」というルートは、一般的な申請ではなく、外国人技能実習制度によるCOE申請となりますので、実習計画が外国人技能実習機構で計画内容が認定されるかに掛かっています。その後の入管のチェックも厳しくなることが予想されます。一般監理団体と共に、個別の事案に合わせた納得性の高い「理由書」の作成が成功の鍵です。
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再入国の手続きを確実に進め、将来の2号移行まで見据えたサポートが必要な方は、お気軽にご相談ください。